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□拍手御礼に使った文と突発SS
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お正月モチーフshort short。
言葉のあやとり誤解を招く。
例によって例のごとく行われたボンゴレvsキャッバローネの新年対決も終わり、ツナ達一行、ディーノは沢田家にておせち料理を囲っていた。全ての部下を帰したディーノの周りは、案の定取り皿にあったはずの食べ物があちらこちらに散乱していた。
「おっさんの周りだけすげーことなってんぞ?箸使えねーのか?」
「うおっ!なんじゃこりゃ!?」
「ていうかその散らばり方、もうミラクルですっ。アーティストの域超えてますもん。」
「十代目っこの出し巻き旨いっす!!」
「(ランボ人の皿に人参置くなっ!)」
「コラッ!ランボにイーピン部屋を走り回るなっ!」
食卓がわいわいがやがや笑い声で彩られる。突飛もない出来事は慣れているとはいえ、今でもあまり好まないが、やっぱり大勢でご飯を囲うのは幸せだ。雑煮をぱく付きながらツナはへにゃりと顔を綻ばせた。
「ディーノーお前も飲むかー?」
家光が、台所から酒瓶を数本持ってきた。
明日には仕事はいるんだけどなーと言ってる割に、ディーノも満更ではなさそうだ。
持ってくる前にいくらか飲んだのだろうか、家光の顔は既に赤くなっており、足元も覚束なかった。
父さんはこれだし、ディーノさんも部下いないしなぁ…
どっちがお酒を入れても大惨事になりそうな気がしたツナは、家光から酒瓶を一本もらい、ディーノの元へ持っていった。
「ディーノさん、オレ、とつぎましょうか?」
「え?」
ディーノの言葉を筆頭に一同全員が沈黙した。
「…え?」
何が起こったのかまったく理解していないツナはこきり、と首をかしげた。
「ツナ…どこにだ?」
「へ、ディーノさんに決まってるでしょう?いらないんですか??」
意味のわからない質問に首をかしげた。もしかしてこの人酒の匂いに酔ったのかと的外れな考えがぐるぐる脳裏に回った。
「マジか?!じゃあ、早速し「ちょっとまったぁぁあ!!」
「獄寺君?!」
「十代目っ考え直してください!!なんでよりにもよってコイツなんかに…」
「おいおい隼人そりゃちょっと失礼じゃねーか?」
「でもよ、ツナそりゃーまだちょっと決めんの早すぎると思うぜ?」
「へ?獄寺君?山本?何の話??」
酒を入れるだけなのになんでそんなに話がでかくなっているんだとツナは意味がまったくわからないでいるが、周りにとってはそうではないのだ。
ツナは酒をお猪口に注ぐことを「とつぐ」と言ってしまった為だ。たかが一文字余分が歩かないかのさだが、意味的にはそれどころではない。現にチビ、両親以外の連中は揃いもそろってみんなツナを狙っているのだ。いい間違いとはいえ当人からそんな発言が出たのだ。のんびりできるはずがない。
「え、ちょっと獄寺君山本落ち着いて!!二人もとついでほしいの?!まだ早いと思うんだけど…」
「んなぁ?!」
「お、良いのか?ツナ?」
「おいおいてめーらオレが最初に言われたんだぞ!!」
獄寺が赤面しうろたえ、山本が至極嬉しそうに問いかけてくる。
そんなにお酒欲しいのかとツナの頭の周りは疑問符でいっぱいになっている。
「(馬鹿共め…)」
一人真実を知っているリボーンは騒動に巻き込まれないようにちゃっかり御節を独り占め基保護して縁側にいたが、すぐにいやな予感がして、台所に引っ込んだ。
「ちょっとお願いだから新年早々喧嘩しないでよ!!ちゃんと順番にやるから…」
「なら僕とも結婚して(下さい)よ!!」
「なんか余計なの二人ぐらい来たー?!」
縁側を雲雀がバイクと共に骸がとび蹴りで突っ込んできたために
周りの壁を含め家の一部は大破した。
「てかなんで玄関から入ってこないの?!雲雀さんなんてバイク止めてすらないし!てか何で結婚?!」
家を壊したことはいいのか、家を壊したことは。
必死に止めようと叫ぶツナをよそに回りは雲雀、骸の乱入で更にエスカレートしていった。
「こうなったら十代目が誰に嫁ぐかここで白黒つけよーじゃねーか!!」
「お、良いなそれ。ツナー見ててくれよなー。」
「何言ってんの。綱吉は僕のところに嫁ぐんだから。」
「クハハッ寝言は寝て言いなさい。雀の分際で厚かましい。」
「つーか何勝手に決めてんだよ!?しゃーねーな。ツナ、終わったらちゃんと嫁いでくれよな!」
「へ?!ちょっと意味がわからって本当にやめてー!!」
今年のツナの願うことは「静かな1年になって欲しい」となりそうです。叶う可能性は皆無ですが。
fin.
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後日。
「なぁ、リボーン結局アレなんだったんだ?」
「はっやっぱおめーはダメツナだな。」
ご丁寧に蛍光ペンで印をつけられた辞書の1ページを見てツナが恥で絶叫するまであと3秒。
my sister がパパンに言った間違い。おとんはすかさず「どこにやねん」おかんは「お前相手おらんや」って突っ込んでました。