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□キス恋?!
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「ちょ、獄寺君?!獄寺君しっかりして!!」


漸く我に返ったツナはあわてて獄寺に駆け寄った。揺さ振っても返事がない。


「オイ、ツナ。獄寺何か泡吹いてね?」

「うわーっ!もうビアンキの時よりもやばいよぉっ!!獄寺君っ帰ってきてっ戻ってくるんだっ!!」

「えーと…ヒバリ?お前何を血迷ったらそうなったんだ?」


雲雀の異変に気付いていない山本は心配そうな顔して近づいていった。


「――!山本っ今すぐ離れて!!」


一瞬走った悪寒でツナは反射的に山本を制しようと声を張り上げるが時既に遅く。


「んー?!」

「次は、君?」


山本の顎を上げ今にもくっつきそうなくらい顔を近付ける雲雀がいた。


「やっ山本ォォオッ!!つか何コレ?!誰っヒバリさんに酒飲ませたの?!」

「ツナ、ヒバリは酔っ払ってなんかいねーぞ。アレはシャマルのトライデントモスキートだ。」


トライデントモスキート、そういえばさっきヒバリさんシャマル殴り飛ばしてた。
思い当たる点にビンゴしたツナの顔はさっと青ざめた。


「でも、どこの世界に手当たり次第キスする症状の病気なんてあるんですか?!」

「んー、カプセル番号Aの1278キス魔病のカトリーネちゃん?」

「非っ常に丁寧な説明ありがとーごさいますっ!!そんで解毒の蚊は?!」

「わりーがカトリーネには解毒のがいねーんだ。」

「嘘だぁっ!!対じゃねーじゃん!!」

「まあ、この娘の場合1時間で切れるからよ」

「聞いた?!山本っヒバリさん1時間経てば元に戻るって!!だから後50分押さえてて!!」

「ツナお前時々無茶言うよなー。」


手の平一枚で雲雀の接近を防ぎ山本は苦笑するが本人の言う通り、限界が近いようだ。ひくひくと腕が震えているのが離れていてもよく分かる。


「リボーンッ何とかしてよ!コレじゃあ山本もヒバリさんもなんか可哀相だよっ!」

「山本、ヒバリを美少女と思い込んでみろ。結構愉快だぞ。お前の精神的ダメージも軽減できるしな」

「この家庭教師無茶言い出したっ!!」

「ヒバリを美少女…?つーことはだ、セーラー服着たツンデレな風紀委員長みたいなか?」

「山本は何か行き過ぎっ!!てかソレ好み?!好みなの?!」

「やー。どっちかっつーとツナみたいなのの方が…」

「やっ山本ぉっ!!」

「顔赤くしてる場合かバカツナ。とりあえず山本その想像でヒバリを見てみろ」

「目の前にいるのはセーラー服着たヒバリ(女)ヒバリ(女)ヒバリ(女)……(略)よっしゃ準備完了だぜ」

「…できたんだ。」

「…つーわけで、待たせてわりーな。」


制止していた手を離すと雲雀はくすりと妖艶に笑う。


「覚悟できたんだ?」

「おう。」

「それなら」

「でもこーいうのは男からするもんだろ?」


にかっと笑い、わりびれも無くそう言ってのけた山本はなんと自分の方から雲雀に唇を押しつけた。


(山本の中でヒバリさんが本当に女の人になってる…!)

「なかなかやるな。」

「おーおー熱いねぇ。」

「てかそんなんで良いのか…あっ!!リボーンなんか二人の様子が!!」

「ん?」


もう一度視線を山本達に戻すとどうやら雲雀のほうが抵抗を見せているように見える。くぐもったうなり声をあげているのは雲雀の方なのだ。


「山本のほうがリードしてるみてーだな。」

「…山本…すげー…」

「…っちょう、し、にっ乗るなっ!」

「ぐはっ!」


じたばたともがいていると思ったら、不意打ちで雲雀は山本の股間を膝で蹴りあげた。

トレードマークのダメージに蹲る山本を見下ろし「僕はキスされるよりもするほうが好きなんだ、なすがままなんてごめんだよ」とのたまう雲雀に誰もが理不尽だと思ったのは言うまでもない。


「ねえ、赤ん坊?」


付加疑問調でリボーンに話を振った雲雀の目は獲物を狙う肉食動物のソレだった。


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