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□cos i'm a human
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(うわ、うわぁー!雲雀さん噛まれてるっ!いや、思いっきりオレがやったんだけど!…でも何ていうか…すごい。)


思わず自分が噛み付いたところをまじまじと見つめてしまった。だってなんかすごいんだもん。
ってか、ここまで楽しんでおいて言うのも難だがやっぱり噛み付きたがりやの気持ちは良く分からない。寝ている間の悪戯なら確かに楽しいけどさぁ…

もう雲雀さんは人間みたいな肉食動物でオレは普通の人間だからで片付けてしまおうか。

とりあえず噛み付いてごめんねと言う気持ちで、肩の歯形を軽く舐めておいた。決して少し名残惜しいからなんて思っていない、お詫びだ、お詫び。


(喉乾いた…)


起きてすぐ小一時間ほど馬鹿なことしてたから…ついでにお腹も空いた。
そろそろ雲雀さんも起きる頃だろうと思うし、とりあえず、水でも飲みにい――――


「どこに行くつもりだい?」


ベッドから抜け出ようとしたオレの体は再びベッドの、雲雀さんの腕の中に逆戻りした。


「お、起きたんですね、雲雀さん。」

「ふふ、まあね。」


心なし笑顔がいつもより恐い。オレの直感がちょっとやばいって言ってる。


「どうしたんですかー。朝からご機嫌ですね。」

「ねぇ、綱吉」


ぐるりと、向きが反転された。今度は雲雀さんがオレの上にいる。オレが何か返事する前に雲雀さんは顔のあちこちに口付けを降らしてきた。
サラサラの黒い髪が顔に掛かって少しくすぐったい。羽のようなキスが、優しく撫でてくれる手の感覚があまりにも気持ち良かったから、余りにも心地よかったから、オレは雲雀さんが始終意味深に笑っていたことに全く気付きもしなかった。


「ねぇ、綱吉」

「ん〜?」

「どうだったんだい?僕の味は」

「……へ?」


味?雲雀さんの味……??耳元で囁かれた言葉にオレの思考は一時停止した。

そんなオレを見てあなたはまたくすくすと笑う。余りにめずらしい光景に、軽く背筋が凍った気がした。


「まさか僕が本当に気付いてないとでも思ったのかい?」

「だって、…ふ、普通なら…飛び起きて…怒るでしょう?」

「まぁ、君以外の人間ならまず命はないね。人の寝首を掻こうとした罪、そんな簡単に償わせるつもりないし」

「じゃあ、何で…」

「君の悪戯程度なら、好きにさせてても良いかなって。大胆な綱吉も獣みたいで可愛かったからね。」

「そ、そんなつもりじゃないですっ!」

「どっちでも良いよ、そんなこと。さて、と…」


一つ、二つ…
ご丁寧にオレが噛み付いた場所を正確になぞりながら噛み付いたあとを数えていく雲雀さんを見て、オレの超直感は今度こそ警鐘を鳴らした。うん、オレも逃げたいな、なんて思うよ。でも、ごめん無理。雲雀さん既にがっちりオレを捕まえてるから。ちっとも離してくれやしないから。


「舐めたのも含めて8回…か。起きたばかりには少し多い気もするけど、そんなに僕を食べたいんなら、その要望にちゃんと答えてあげないとね?綱吉」

「………もしもし雲雀さん、もしかしなくてもその8回は…」

「今から君が僕を味わう回数さ。」

「ごめんなさいすみません申し訳ありません雲雀さん少し調子に乗り過ぎました本当に深く反省しております。」

「ワオ。一息で言い切るなんてすごいね。大丈夫。僕は全く怒ってないから。」

これでもかという程爽やかに笑って(ちなみに通常の意味で)、雲雀さんはオレに口付けた。そんな笑顔にすらドキドキしてしまうなんてオレはもう末期なんだと思う。


cos i'm a human


むしろ草食動物に属すのだろうオレは肉食猛獣に属する雲雀さんの嗜好は一生理解できない、そんな気がした。

次に目覚めた時に、オレは体中につけられたキスマークと歯形に絶叫することになるのは、又別の話。


fin.
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