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□burning lonely boy
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「ぅ……?」
目が覚めたときキレイな天井が見えた。
さっきまでは蜘蛛の巣張ってて木が腐ってて今にも落ちてきそうだったのに…
寝台に寝ているところから、誰かの部屋に運ばれたのだろう。
この数日何があったんだっけ…?
確か、何日か前になんか身体が熱くなって、炎が勝手にゴアってなって部屋がどっかいって…
遠くでバタバタ足音がして、騒がれるのが面倒だからそこから離れて…
身体に炎がぐるぐるってくっついたままフラフラ歩いてたらいきなり後ろから襲われて、ソレが親父の刺客っぽくて…何年振りだろ…親父の刺客を見るのって…なんで今更来るのかわからないけど、とりあえず燃やして追っ掛けてくるけど、身体が凄く重かったから燃やしながら逃げて…―――――…あれ、この先思い出せない。
なんかボロ屋にいたところは思い出せるのに…
「っぐ…」
軽く頭痛がして顔を顰めた。
ボロ屋でぶっ倒れる直前に見たでかい龍が脳裏をフラッシュバックした。
「……サイアク」
寄った眉間の皺が戻らない。
とりあえず、今分かることは、ここがオレの部屋ではない ただそれだけ。
オレの部屋もっとさっぱりしてキレイだし(何も置いてないだけだけど)
バタバタバタバタッ
「…ん?」
遠くの方で地鳴りが聞こえる。
ドギャっばたっどさっ…今だけでも5,6人は引いたね。
そういえばここって誰の部屋なんだろ…
何かで入ったことあるけど、思い出せない。
さっきよりは幾分楽になった身体を起こしてみた。
部屋にあるものは、書き物用の机と小さな卓袱台みたいなの。
机には紙の束と本が整頓されて置いてあった。
…何でだろ。なんか良く分からないけどムカついてきた。
オレが知ってる部屋で、ゆんゆんの家じゃなくて、なんかムカついてくる部屋…
「…あ。」
思い当たる節が出てきた。
おらくその答えの奴がこの部屋に来る。
近くで「あだぁっ!!」って感じの悲鳴と、ドンドンって小刻みに地面を鳴らす音が聞こえる。
きっとどっかの角に小指ぶつけたんだ。ざまーみろ、やーいやーい。
その数秒後、ありえないぐらいでっかい音で、部屋の扉が開いた。
「熒惑無事か!?」
「辰伶…」
この部屋の主が入ってきた。
足で壊すんじゃないかと言うほど勢い良く扉を開けたから流石に少しビックリした。
何でよりにもよって辰伶なんかに匿われてんだろ、オレって。
…良く考えたらあの龍、水龍じゃん。
「……ホント、サイアク。」
「ハァ…助けてもらっておいてその言い草はないだろう。」
「別にお前に頼んだ覚えも頼った覚えもない。」