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□拍手御礼に使った文と突発SS
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正月用ショートショート


黒曜組と詰め放題


「さぁさぁついにこの日がやってきましたよ!予算は5千円ノルマはその10倍のアマウント!切ったらあなたたちの頭にグサリ…ですからね!」

「骸しゃーん!ガムの詰め込みしてきていいれすかー?」

「ええ良いですよ。それで半年持たせるのが条件です!」

「了解びょーん!」


ガム詰め込み放題500円。密封できる中くらいの袋を片手に犬は駈けていった。


「…なぁクローム…お前のとこいつもこうなのか?」


そんな現場に出くわしたツナは訝しげにクロームに事の状況を聞く。
クールに済ましてクフフと笑っている骸からは到底想像できない一面だったからだ。


「うん。骸様達…節約思考だから」


そう言ってクロームは買い物袋をツナに差しだす。やけに重みのあるそれを断りを入れたあとに開いてみるとそこにはまたもや少し大きめの密封袋にパンパンに詰め込まれボールと化した何かが三つ。いつ爆発してもおかしくないというくらいだった。


「あの…クローム…これは?」

「下着。こっちがぱんつでこっちがブラ。その黒いのは靴下。」

「…千円だったんだ。」


パンツなんて男に見せないでよ!という狼狽を先走って値札に突っ込んだツナ。
それほど今の彼にはこの惨状を脳が認識しずらいのだろう。


「うん。」


千種と骸様が手伝ってくれたから30枚ずつくらい買えた…と僅かに頬をゆるませながらクロームは言う。

その時ツナはワゴンに群がる女性客に交ざりクロームが着そうな下着を大人気なく引っ掴む骸とやけに計算して隙間無くそれらを詰めようとする千種を想像した。実際数十分前に行われていたやりとりだ。
今現在も千種は犬と共に菓子詰め放題に挑んでいるし、行方不明の骸もおそらくどこかで何かを詰めているのだろう。
遠くで「そのチョコレートは僕のですよ!?」と叫ぶ声が聞こえたからだ。


「何て言うか…逞しくなったね。クローム。」

「ボスこれから暇?私これからカップラーメンの積み上げ頼まれてるの。」


着いてきてほしいと視線で訴えるクロームにツナは「これが普通のデートの誘いだったらドキッとするんだろうなぁ」としみじみ思った。

その後まるで戦いの時のように声を荒げ指示を出すクロームにツナが本気でびびったり、大漁です♪とクフクフ笑って現れた骸の手にははみ出してるという表現さえ似付かわしくない程詰め込まれたウィンナー、唐揚げ、焼売、リンゴ、焼き栗…数えだしたらキリがない程の食材で溢れていた。


we love 詰め放題!


「だから僕はジャッポーネの正月が好きなんです」

「真面目に正月しようよ?!」



おわる。


廃墟をアジトにする彼らはきっと指名手配ってのもあってこんなイベントは命がけでやるんだと思う(言いたいことはそれだけか。)

はたして正月セール特有かは知らないけど、大概のスーパーはやるよねって話。

まぁなにはともあれあけましておめでとうございます!
たまには甘いヒバツナから脱線してこんなネタを書きたくなるんですよv

01/02/10

01/14/10再録
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