Text
□拍手御礼に使った文と突発SS
20ページ/42ページ
愉快なウサギ達とカメ。
その2。ウサギをふてぶてしいと言うならきっとこいつが一番合う。
「やーいツナののろま〜。」
日向ぼっこをしているツナ君の前にもじゃもじゃアフロが特徴のウサギのランボが現れました。
「ごめーん。後10分ぐらいこうしてたい。」
ランボがツナ君をからかうのは遊んでくれの合図です。普段は起き上がって「今日は何したいの?」と聞いてくるところですが、今回はぽかぽかと暖かいお日様に当たっていたいと言う気持ちのほうが大きいようです。大きな欠伸をひとつして、ツナ君はころりと寝返りを打ちました。
「やだーツナ遊べ!ランボさんと鬼ごっこしろ!やーいやーいツナの鈍ガメー。」
少し離れてツナ君をからかいます。いつもはこうすればツナ君はカウントを始めるのですが、今回は伸びを一つするだけで動こうとしません。
「コラー!ツナ!!ランボさんを無視すんなー!!」
まったく動いてくれないツナ君に痺れを切らしたランボは枕になっているツナ君のクッションを引き抜きました。
「イテッってランボ!それはダメ!ほら早く返してっ」
「返して欲しかったらランボさんと競争するんだもんね!ツナが勝ったら返してやるよーだ!」
「ちょっランボホント待てって!!」
あわてて立ち上がりランボを追いかけます。実はツナ君の枕のあのクッションは友達カメの京子ちゃんからの誕生日プレゼントなのです。無くしてしまったら大変です。
「ほらっツナ!ここに立つんだもんね。」
「仕方ないなー。それ大切なものなんだから絶対返せよ?」
「ランボさん嘘つかないもんね!よーいどん!!」
どんと言う頃には既にランボは走り出していたが、同時に出ても勝てないことには変わりないのでツナ君はため息を一つ吐いた後、後を追って走ります。
数メートル離れたところで「こっこまでおいでー」と飛び跳ねてるランボを見てツナ君はやれやれと苦笑しました。
10分後
ランボはゴールのすぐ側で「ほーらおしりペンペン!!」と騒いでいます。対してツナ君は未だゴールから100m離れたところで走っていました。ランボは大切なクッションを持っているのです、雲雀さんから逃げるほどではないとはいえ、ツナ君も一生懸命走り続けていました。もともと運動が嫌いなツナ君はそろそろ体力の限界を迎えていました。
「困ったなー。ランボのことだから今日が終わる頃には返してくれるだろうけどさー…」
走りながらどうしたものかと考えていたら、ゴール地点に立っていたランボが戻ってくるのが見えました。ウサギたちの中でも中々すばしっこいランボはあっという間にツナ君のすぐ側までやってきました。
「っはーランボ?…どう、したんだ?」
今まで走っていたが、ランボが戻ってきたときに立ち止まってしまったツナ君はへなーと座り込んでしまいました。ここまで疲れてしまってはまたランボが走り出したときすぐには動けないなーとツナ君は人事ながら思いました。
ポフッ
「ん?」
ツナ君の背中の甲羅に何かが置かれました。ふんわりとお花の匂いのするそれは、ツナ君の大切なクッションでした。
「ん?ランボ?」
「ランボさんかけっこに勝ったもんね!だからツナ罰ゲームでオレっちをゴールまで乗せて行けー!」
「へ?」
まだゴールしてなかったよな?と言う前に、ボフッとランボがクッションの上、つまりツナ君の甲羅の上に座りました。一瞬衝撃があるものの、ランボの体重は背中に乗せるには余裕な重さなので、ツナ君は「本当、しょーがないなー」と苦笑してゆっくり歩き出しました。
「着いたらママンがくれた飴ツナにあげるんだもんね!」
「ははっありがとなー。」
その数十分後、空色のクッションを半分こしたツナ君とランボがすやすや、幸せそうな顔で眠っているのが見られたとか何とか…
かけっこの結果は引き分け基ランボの勝ちってところかな。
-----
ウサカメ第2弾、カメツナとウサランボ。ランボはわがままでふてぶてしいけど根は良いやつですよね。てかランボの口調難しい…。
次は誰でやってみようかな…