Text2

□pervard from the past
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「デーチモ、夢精手伝わせて」
「ぎゃぁあああ!!!ベッドに入ってこないでくださいーーー!!!」
「デーチモ、パンツ一枚ちょうだい」
「んぎゃぁあああ!!アラウディさんそれまだ洗濯してない!てかやめてーーー!!!」
「デーチモ、慰めて。寂しい」
「ベッドで全裸待機しないでください!」

骸以上のレベルのストーカー行為と変態発言を繰り出すアラウディを悲鳴交じりにいなし、どうにか今日一日を乗り切った綱吉は完全に憔悴していた。いつもよりも疲れた。骸撃退よりも疲れた。ぐったりとベッドに寝転ぶ綱吉にはもうピクリとも動く元気がない。
綱吉がうまくアラウディを追い払えないのにはわけがある。笑顔で鼻血と荒い息を抑えない骸とは違いアラウディはどこまでも真面目に真顔で綱吉に迫ってくるのだ。
本気で嫌がると本気で子供のように落ち込んでくるため、なぜだかこちらが申し訳ない事をしたと錯覚してしまう。

だからある日、綱吉はついに聞いてしまった。ベッドで待機するアラウディにまずは服を着せて、ベッドの上で向い合せになって座り数々の奇行の訳を。

「馬鹿らしいって笑うかもしれないけど、我慢できなかったんだ」
「はぁ…」
「分かってるさ。君のような小さな子供にすることじゃないって。自分の時代で何とかするべきだって。でも、ジョットとは今離れたところで任務してて…。彼の代わりにその辺の女を抱くこともしたくない。彼に悪いじゃない。だから少しでも環境を変えて気分を紛らわそうと指輪を通じてこっちに来たけど、そうしたら君が無邪気に笑ってるから…。凄く、幸せな気分になって、それでもやっぱり我慢できなくて…触りたくって」

現役マフィアならばどう考えても20代を超えているはずのアラウディが見せるしょぼんとした表情はいたずらして怒られてしょぼくれている小さな子供となんの変わりもなく綱吉は戸惑う。もともと雲雀を始めこの系統の顔にはすこぶる弱いのだ。雲雀がたまに優しくして来ると、どうしようもなく挙動不審になあってしまうし、なぜかたまに大人になる風に甘やかされるとまるで恋する乙女のように顔を赤くしてのぼせたように彼を見てしまう。行動そのものはとても褒められたものではないが、寂しいという理由で自分を頼ってくるアラウディもきっと内容がもっと平和的であったなら少しぐらいは…と彼の要求を聞き入れてしまうだろう。

「アラウディさんの気持ちはよく分かりました」
「でーちも…」
「でも、だからこそ、オレは貴方のお願いは聞き入れられません」
「っ…どう、して…?」
「だってプリーモがいるんでしょ?指輪で帰った世界に。遠くて会えないからって貴方が来るべき場所はオレのところじゃないはずです。プリーモのところだと思うんです。きっと貴方がさっき言ったこと、そっくりそのまま彼に言ってあげたらきっとプリーモは喜んで貴方の事を受け入れると思いますよ…?」

にこりと笑ってアラウディのサラサラのプラチナブロンドの髪をなでる。我ながらうまくまとめたと綱吉はちょっとした自画自賛状態だった。
アラウディが初代ボンゴレを好いているのは明確。そして、彼の口ぶりから普段は仲睦まじくているというのは間違いない。なぜアラウディがここまで寂しい思いをしているのかは知らないが、やはりこういった問題は顔が似ているからと言って自分のような他人に頼るのではなく、当人にちゃんと伝えなければと綱吉は思ったのだ。
見たところアラウディは雲雀よりも大人で、それでいて、雲雀よりも素直だ。それなら、自分の世界でプリーモが待っているよと諭しててあげればすぐに帰ってくれる、そう思っていたのだ。

「…わかった」
「アラウディさん…!」

漸く分ってくれたと綱吉は安心に顔をほころばせるが、次の瞬間、視界がぐるんと暗転して、かしゃん、かしゃんと手足に冷たくて硬いものが嵌められていた。

「あ、らうでぃさん…?」

M字に足を開かされ、そのまま足首と後ろ手にされた手首をクロスした状態でつながれてボールのようにベッドに転がされる。手と足が左右ばらばらに繋がれてしまったため、足が開きっぱなしになり閉じることができない。困惑する綱吉をすねた子供のような顔をしたアラウディが見下ろす。

「どれだけお願いしてもデーチモはプリーモにお願いしろって言うんでしょ。でもプリーモは今捕まらない状態にある。それだったらもうっ…有無を言わせずやってしまうしかないじゃない」

むすっとしてそうのたまうアラウディに綱吉は全力で叫んだ。
この人何も聞いていない!
さぁああと顔を青ざめ綱吉は固まった。そんなことをしているまにもアラウディはしゅるしゅるとトレンチコートを脱ぎ、シャツのボタンまでプチプチと外してしまっている。

「大丈夫。デーチモの言うとおりプリーモが僕の世界にはいる。彼を裏切るつもりはないよ。だから君を手籠にしたりなんてしない。でもちょっと僕の性欲の処理に脱がしたり触ったり、擦りつけたりはたまたぶっかけたりするけど許して?si以外は認めない」
「えぇええ?!お願いの意味ないじゃないですか、ちょ、っひぃ!?」

ひたりと冷たい手が胸元を這いまわり綱吉の体はザわりと粟立つ。それをみたアラウディは先ほどまでのしおらしい態度が嘘であったかのようににたりと笑う。

「とりあえずデーチモ、そのままちょーっと後ろにコロンしてくれるかな?」
「いい嫌ですよ!恥ずかしいじゃないですか!」
「恥ずかしいからそんな体勢させるんでしょ」
「最低だこの人!」
「あんまりうるさくしちゃうとボールギャグも咬ませてしまうよ。涎がだらだら零れる無様な様なんて見せたくないだろ?僕は興奮するけど」
「やめてーーー!!!」

あ、どうしよう。自分で言ったら萌えちゃった。ちょっとデーチモこれ付けてよと懐から手錠を出すノリでベルトに繋がれたプラスチック製の穴だらけのボールを掲げられた時にはもう、綱吉の頭の中はダメだこの変態なんとかしないとという状態になっていた。

「はい、あーん」
「うぐ、?!」

ぐい、と顎をつかむ手に力をこめられ、そのままプラスチック製の球体を無理やりにかまされ、パチンパチンと頭の後ろで止められてしまう。こひゅ、こひゅと間抜けな音が口からもれる。アラウディの言うとおり口の中の唾液を碌に呑み込むことも出来ないため、どんどん中でたまり、少し顔の位置が下がるだけで、簡単にこぼれそうになる。綱吉はあわてて、顔の位置を上げた。
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