長い物語
□一話『始まりと終わり』
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とある街中。そこにいる人々は今日も変わり無い一日を過ごしていた。あの時までは……
人通りが最も多い大通り。浴衣姿で長い髪を後ろで一本に縛っている青年と翼が生えている少年の――明らかに浮いている――二人組がいた。
「今日はいつもより人が多いですね」
「そやなぁ…なんでこんなに沢山いんや……ん?」
青年は薄暗い路地の前で足を止めた。何かに気付いた様に
「休日でも無いのに不思議ですね」
翼が生えた少年は青年が止まっているのには気付かず歩いていく。
「何かとんでも無いもんが……居る」
青年は消えそうな程小さく呟くと路地に向かって歩き出した。
路地はそれほど暗く無く神秘的な雰囲気を醸し出していた。それと同時に不気味な雰囲気も
「あれ……ゼロさん!?」
青年が路地の一番奥に着いた頃翼の生えた少年は青年が居ない事に気付いたのだった。
少年は青年が入って行った路地見付だし走った。
(あの人は目を離すと……)
路地の一番奥に少年はやっとたどり着いた。
「ゼロさ……!!」