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□僕とピンクとスパーダと
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「――あ、おはよう、スパーダ」


そう、かわいらしく振り向いた天使は、かわいらしい笑顔と、これまたかわいらしいピンクのフリルがいっぱいのエプロンを着て、朝っぱらからオレの脳天をぶん殴りやがりました。




僕とピンクとスパーダと





「オマッ…そのカッコは…」


なんだ、と続く前に、ルカはほんのり頬を染め、照れくさそうに頬をかいた。片手には木製のトレイを持っていて、その姿はまるでメイドのような風貌。ルカの知的で少女のような顔立ちが、それをより一層引き立てている。


「実は、今日は早くに目が覚めちゃって、外の空気でも吸いに行こうかなって一階に下りたら、宿屋の人に声をかけられて…」


朝起きた後に散歩?オマエは年寄りか!とツッコミそうになったが、話が脱線しそうだったので、おとなしくルカの話に耳を傾けた。


「今日は人がいないらしくて、もし時間があるなら食事の用意を手伝ってくれないか?って頼まれちゃって…」


「オマエってホント頼まれ事、断れねェよな」


「うっ…で、でも実際にヒマだったし、僕が手伝えば今回の宿代はタダにしてくれるって言ってくれたんだよ?」


「へーえ、お得じゃん。んで、その格好って訳か」


「う、うん。宿屋の人が、『キミにはこれがピッタリだ!』って……でもこれって女の子がするエプロンだよね?僕が着ても似合わない気がするんだけど…」


宿屋のおっさんナイス!オレは心の中でガッツポーズをキメた。もしかしたらマジでルカを女と勘違いした可能性も否定は出来ないが(なんてったってこの容姿だ)、結果的にはこの形になっていたかもしれない。カワイイに、男も女も関係ねェから。




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