戦国夢短編
□大好きな人は
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「ねぇねぇ里桜ちん、さっき幸村様に何言われてたの?」
さっきの事を思い出してあたしは、気になったので里桜にそう聞いてみた。
すると里桜は苦笑を浮かべながら口を開いた。
「ああ、さっきのか?実は幸村に城下へ行かないかと誘われたんだ」
それを聞いてあたしは自分の上司の姿を思い浮かべて、その背中に思いっきり殺気を向けてやった。
だって、里桜はあたしのなんだもん!
あたしの大好きな人に手をだそうとするなんて…幸村様サイテー!
そう心の中で毒づきながらぷうっと頬を膨らませれば、里桜は両手であたしの頬を包み、その空気を抜くようにグッと力を入れた。
「ぶっ…っ!里桜ちん…?」
「そんな顔しないの。大丈夫、私はくの以外の者に靡いたりはしないよ?」
ふわりっ、と微笑む里桜にあたしは顔が熱くなると同時に、彼女の言葉がとても嬉しくて再びギュゥゥッと抱き着いた。
「〜〜〜っ里桜ちん大好きっ!ぜぇっったいにあたしが幸せにしてあげるから!」
「ハハッ!ありがとうくの。私も大好きだよ」
そう声を上げながら里桜の唇に軽く口付ければ、里桜は恥ずかしそうに笑った。
たとえ相手が年上なお姉さんで少し男勝りでも
あたしの大好きで護りたい愛おしい人!
fin...