戦国夢短編

□大好きな人は
1ページ/3ページ





好きな人が女の子で年上だって…ダメじゃないよね?だって恋愛は自由じゃん!


皆やっほー、くのいちなんだぜ!幸村様達のため、今日も元気に任務任務〜。

…の前に、里桜に会いに行こーっと!


くのいちはぴょんぴょんと軽い身のこなしで木々を移り渡り、里桜の部屋まで向かった。
――が、



「――むむ…っ?」



里桜の姿を見つけたと同時に、己の主の姿もそこにあった。


幸村様…、また里桜にちょっかいだしてる。


赤色が特徴的に主の姿を確認すると、くのいちはその場に留まり、木の上から二人の様子を観察した。



「――…ごめん幸村、その日は用事があって無理なんだ」

「そうですか…。無理を言ってしまい申し訳ない」

「気にするな。こっちこそ、幸村のお誘いを断ってさ…ホント、ごめんな?」

「い、いえ!こちらこそお気になさらず!」



…幸村様ってば、また性懲りもなく里桜の気を引こうとして…。
里桜が幸村様の気持ちに答える訳がないのに。


暫くすると、幸村様は部屋を出ていった。
…心なしか、彼の背中から哀愁らしきものが漂っているように感じた気がする。



「…もー幸村様ったら、どうしてすぐ里桜ちんに近づくかなぁ」

「…ん?あ、くのじゃないか!」



幸村様の気配が完全に遠退いたのを見計らって木から降りると、里桜はあたしの姿を確認してすぐ笑みを浮かべた。

それが可愛くて可愛くて、あたしは里桜に思いっきり抱き着いた。



「もー!その笑顔可愛すぎ!」

「ちょっ…あははっ!苦しいってば、くの!」



ぎゅ〜っと里桜を抱きしめると、彼女は苦しそうな、それでいてどこか嬉しそうな表情をしていた。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ