立志伝

□STAGE 1...
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「――なんか、飽きてきたなあ…」



ぽちぽちと、ゲームのコントローラーでテレビ画面の中にいるキャラクターを操作する。

何気なく買ってみた、格好良いけど何故が女運がない某エージェントがゾンビを相手に戦う有名なホラーゲーム。
初めは恐怖と臨場感が溢れる雰囲気に怖いと思いながらも楽しみを覚えていたが、二周目ともなればそれに慣れてしまい、少し物足りなくなってしまった。

どうしたものかとセーブをして電源を切ると、視界の端に少し懐かしいソフトが目に飛び込んだ。



「あ、三國4の猛将伝…」



まだ新参組だった頃の関平がパッケージのそれは、最近は5やら6やら無双の新作が出ていたから、久しく手につけなかった物だった。
そういえば、修羅モードを天下統一戦を終えてから全く進めていない気がする。



「……久しぶりだし、やってみようかな」



ありゃ、結構傷がいってるな…そんな手荒に扱ったつもりはないのに。ごめんよディスク、これからもこき使うよ?
そう思いながら、ゲーム本体の中にあるソフトを三國と交換してセットする。

オープニングムービーの凌統に微かな違和感を感じつつ――だって、新参組時代の凌統と6の凌統の顔立ちや髪型が違いすぎるし――、修羅を始めようとしてふと立志モードに目が止まった。



「……そういえば立志も女性エディットの衣装を全て集めて以来、全くやってない気が…」



…修羅は後にしてまずは立志で腕慣らしをしよう。
修羅の弓兵は冗談抜きで鬼畜だし、5の操作に慣れてしまっている今の私ではフルボッコ確定だ。弓兵おー怖い怖い。

そう思い至った里桜は、迷わず立志モードを選択し、以前プレイしていたであろうセーブを始めからにした。


――その瞬間、テレビ画面がチカチカと光を点滅し始めた。



「…えっ?壊れ――ぇえっ!?」



焦りを感じていると、身体がグンッと前に引っ張られるような感覚に襲われ、思わず声を上げた。
引っ張られる先にあるのは、最近買ったばかりのデジタル対応である薄い液晶テレビ……。

――まずい、ぶつかる!そう思った里桜は迫りくる衝撃に身構えるように反射的に目を閉じた。



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