三月
□歯車
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どうやら自分から降りられないらしい。さすが猫。
「あっ見つけた!」
そう言うとすぐに登りだした。
「オッ、オイッ!?」
一角が止めるのも聞かず、男子生徒はヒョイヒョイと給水塔まで登りついた。
そしてすぐに猫をキャッチ。
「よかったー。もう勝手に逃げちゃ…」
その時
―ビュウッ!!
突然の強風!なんてベタ。
「うわぁ!?」
バランスを崩した生徒はそのまま落下。
「バカ危ねっ…!」
ドサッ!!
落ちてきたものは意外と軽かったがそのまま後ろへ倒れてしまった。
「いててて…」
「早くどけ。」
「わぁっ!?ごめんなさい!!」
子猫を抱えたまますぐに立ち上がり、ペコペコと一角に頭を下げる。