三月

□殺戮の町
1ページ/17ページ

「なぁなぁ、観光しに行かねぇ?」
サクが言った。
「観光ぉ?」
リンがめんどくさそうに答えた。
「お前観光できるだけの金あんの?」
俺が聞いたら
「ないな。」
トモが即答した。

俺たちは男子バスケ部のチームメイトで同級生。
暇があればいつもサク、リン、トモ、そして俺・ナオは遊びに行っている。
しかしサクは貧乏なので、サクのバイト代が貯まるまで出かけるには相当な時間が掛かり、あまり遊ぶ回数は多くない。

「大丈夫大丈夫!その為に結構稼いできたから。」
サクは自慢気に言った。
しかしかなり胡散臭い。サクの言う大丈夫はあまり大丈夫ではないからだ。

例えば、バスケの練習試合のとき。

「次決めれば俺たちの勝ちだな。」
「なぁなぁ、次のシュート、俺に決めさせてくんね?」
サクが突然言った。
「え?でもサク、お前大丈夫か?本番の試合に弱いのに」
トモが聞いたら
「大丈夫!」
サクは確かにそう言った。そしてその結果、
『―スパッ』
「よっしゃあ!入ったぁ!」
「おいサク!それ敵のゴール!」
「―へ?」

見事な自殺点。結果は俺たちの負け。
それだけではない。他にも、お金を貸してと言われたので貸し、後で返すと言われてから返してもらったのは半年後だったり、夏休みの課題を写させてと言われて借してみれば始業式まで返してくれなかったり。
借りてすぐに言うのは「大丈夫」という言葉。
その言葉に何度騙されたことか。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ