三月

□花火
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「へー、花火って年に四回もやってたんだー。結構忙しかったから気付かなかったな。」
雛森、通信誌に夢中。前を見ろ。

―ドンッ!
「ふわっ!」
「いってぇっ…って、雛森?」
「あ…日番谷くん…。」
日番谷本人ご登場。
「ハァ…。ったく、ちゃんと前見て歩けよな。じゃないと今度は転ぶぞ。…で、そんなに雑誌なんか真剣に見て、どうしたんだ?」
いきなり本題に入ってきた。
「え?えーっと…コレは別に関係ないよ?(汗)」
日番谷の眉間のシワが少し深くなった。無駄な疑問を抱かせてしまった。
「あっあのさ、日番谷くんは、今週末暇?もし暇だったら、尸魂界のおばあちゃんとこ行かない?」
ためしに早速誘ってみた。だが日番谷は
「あー、ワリィ。今週はちょっと仕事が山ほどあるから、ソレ片付けなきゃならねぇんだ。たぶん今週はのんびりできる時間無いかもな。」
あっさりと誘いを断ってしまった。
「あー…そっかぁ、それは仕方ないね。いつも忙しいもんね、十番隊は。」
次第に空気が悪くなってきたので、
「じゃあ、あたし仕事に戻るから、またね。」
逃げた。
「あーあ。おばあちゃんとこ行くなんてただの口実だったのになぁ。花火は今週にやるっぽいし。…でも忙しいんじゃしょうがないよね。」
ぶつぶつ独り言を言いながら雛森は隊舎へと向かっていった。そしてしばらく考えた後、
「いいもんっ一人でおばあちゃんとこ行ってやるっ!日番谷くんの誕生日なんかお祝いしてあげないもん。」
すっかりすねてしまった。
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