三月
□接吻
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もう一度口づけようと唇を近づけると、雛森の手が日番谷の口元を塞いだ。
「もうこれでおしまいっ!」
真っ赤な顔で必死に言う。
それがなんだかたまらない。
「じゃ、じゃあ、あたし仕事があるから戻るね!ゆっくり休んで。またね!」
パタパタとかけていく音が遠ざかっていく。
行ってしまったか…。
少し残念だったが、これ以上やると歯止めが効かなくなりそうだったから、良かったのかもしれない。
いや、そもそも夢なのだから、さっきのキスはむしろ贅沢なものだ。
そう思い、日番谷は余韻に浸りながら再び眠りについた。