三月

□接吻
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せっかく夢に雛森が出てきたのだ。
普段できない分、ここで触れるくらい許されるだろう。
「日番谷くん?」
「雛森…」
「なあに?」
ソファーに横たわったまま雛森の頭を自分の方へと寄せる。

「キスしたい」

それを聞いた雛森は「えっ」と小さく言うと日番谷から離れようともがき始めた。

「ひ、日番谷くん、こんなお昼から何いってるの!?」
そう言った顔は真っ赤。
「せっかくお前が来たんだ。この時ぐらいいいだろ?」
日番谷は離れようとする雛森を逃がすまいと彼女の頭に添えていた手に力を込める。
膝立ちの状態だった雛森は頭まで押さえられ、すっかり動けなくなってしまった。

雛森が逃れる術をなくしたとわかった日番谷はそのまま唇を自分のそれと重ねた。

「んっ…」
夢だからだろうか。
雛森の吐息が頭の中へと心地よく響いてくる。

初めは啄むようなキスだったが、だんだんとそれは深くなり、雛森の歯列を舌でなぞりながら口を開かせる。
するりと自分の舌を入れると、くちゅり、と厭らしい音が鳴り、雛森の体がビクンと跳ねたのがわかった。

「ふぁっ…」

キスに夢中になってきたのか、先程まで行き場の無かった彼女の腕が自分の頭に回された。
それに気をよくした日番谷はさらに口内を貪る。

「雛森…」

一瞬唇を離すと愛おしげに囁いた。

「ひつがや、くん」

そう自分の名を呼ぶ瞳に吸い寄せられるかのように、再び唇を重ねる。
また深いキスをし、今度は上顎をに舌を這わせると、「んんっ」と可愛い声を出した。
それに気を良くした日番谷は十分に彼女を味わった。
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