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□二つの誕生日
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12月31日 大晦日
「よう、浦原祝いに来てやったぞ」
「おやぁ、これは空鶴さんじゃないっすか」
「久しぶりだな」
「そうっすね」
「ちょうど明日は夜一の誕生日でもあるからな」
「ところでそれなんすっか」
大きな布に包まれているそれを空鶴に尋ねてみた。
傍らには何やら不機嫌そうな砕蜂がいる。
「砕蜂隊長いらしたんっすか?」
「別に貴様の誕生日なんぞ。祝いに来たわけではないからな」
「夜一さんの誕生日祝いに来たんすっよね」
「・・・////」
そっぽを向き照れている砕蜂。
「なんじゃ空鶴来ておったのか」
「あぁさっきな」
布に気付く夜一。
「これなんじゃ」
「浮竹から浦原と夜一に誕生日プレゼントだとよ」
「開けてみるか」
布を手に掴み布を外す喜助と夜一。
布の中身に驚く一同。
「私っすね」
「わしじゃのう」
そこには等身大の喜助と夜一の置物がある。
「そういえば10月の俺と兄貴の誕生日にも持って来ていたな」
空鶴の頭の中にふと二ヶ月前の自分と亡くなった兄の誕生日のことを思い出していた。
「浮竹も好きじゃのう。こんなのどこに置くのじゃ」
「地下の勉強部屋にでも置いて置きますか?」
「そうじゃのう。砕蜂地下に運んでくれぬか?」
「はい」
「テッサイお願いします」
「かしこまりました」
砕蜂とテッサイがそれぞれの浦原商店地下勉強部屋に運ぶ。
空鶴の持っている紙袋に気付いた夜一が空鶴に尋ねる。
「空鶴、おぬしが持っておるのはなんじゃ」
「これか?俺からの二人にプレゼントだ」
紙袋の中身を見る喜助と夜一。
「花火じゃな」
「どこであげるんっすか?」
「今回のは打ち上げじゃないんだ。家でみんなで出来たらなぁって思ってよくコンビニとかで売ってる感じにしたんだ」
「なるほどな」
「楽しそうっすね」
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