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□二つの誕生日
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「どうかなさいましたか?夜一様」
「わしは寒いのじゃ」
「こたつの中に入っていたらいいっすよ」
「そうさせてもらうかの」
猫の姿になりこたつに潜り込む夜一。
ひょっこり顔を出し砕蜂に話し掛ける夜一。
「砕蜂、すまぬがカウントダウン30分前に起こしては貰えぬかの」
「かしこまりました」
「すまぬの」
「いいえ」
またこたつに潜り込む夜一。
こたつの前に正座して座っている砕蜂。
砕蜂の横にストーブを置く喜助。
喜助を見て『すまぬ』と言う砕蜂。
「いいっすよ。風邪引かれては私が夜一さんに叱られるっすから」
「なぁ、浦原買い物に行きたいんだが昔と道変わってんのか?」
「そうっすねぇ。少し変わってますから雨連れていくといいっすよ」
「お前も行くか」
「私は・・・」
「まだ時間もありますし行って来たらいいっすよ」
「大丈夫さ、浦原もいるんだしたまには生き抜きも必要だぜ。それにお前まだ夜一にプレゼント買ってないんだろ?」
コクッと頷く砕蜂。
砕蜂の腕を引っ張る空鶴。
「そうと決まればいくぞ。砕蜂」
「あっ」
「雨、すみませんが買い物がてら空鶴さん達の買い物に付き合って欲しいんすけど」
「あっはい・・・おそば買って来たらいいんですか?」
「えぇ、人数分お願いしますね」
「はい」
「雨行くぞ」
「今行きます」
玄関に向かい走って行く雨。
玄関に空鶴と砕蜂が待っている。
「お二人とも寒くないですか?」
「俺は大丈夫だぜ」
「私も大丈夫だ」
「じゃあ、行きますか」
「「あぁ」」
三人並んで出かける。
その三人の後ろ姿を見送る喜助。
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