Novel
□調教デスガ?◆
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「約束の、金だ…」
とある裏路地。
二人の男が、向かい合っていた。
一人は浮浪者の様な格好で
もう一人は鮮やかな着物に包帯。身長は男にしては小さい。
小さい男は浮浪者が渡した包みを開いて中を確認する。
「確かに頂戴した」
その間も、浮浪者は辺りを気にする様に目を走らせている。
「安心しろや…此処には誰も来ねェよ」
「む、娘は…!!」
浮浪者は小さい男に噛み付く様に、問いただす。
「ちゃんと居るさ…あの世にな」
そう言って、小さい男は刀を抜いた。
「…ふふっ」
先程迄の怯えが消え急に落ち着いた男の態度に、小さい男は眉をひそめる。
「お前…」
ぶしゅっ
「…っ何…!?」
小さい男は目を見開いた。
目の前には、浮浪者が血みどろで倒れている。
両手に、高杉の刀を握ったまま。