Novel

□調教デスガ?◆
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…ひた、ひた。

此処は新撰組牢屋。

極悪犯収容所。

其処の、冷たく暗い廊下を歩く、足音が響く。

「ご飯です」

隊士は、一番奥の…高杉が居る牢屋へ、飯を置いた。

「要らねェ」

高杉は壁に体を預け虚空を睨みながら、答える。

「食べて下さい」

…ガシャン

高杉は、飯の乗った盆を足で蹴り飛ばし隊士を睨んだ。

「…去れ」

殺気を込め呟く。

「…はぁ…」

隊士は、溜息を付きながら去った。

「…」

冷たく、暗い床に、高杉は寝転んだ。

…目をつぶる。

―あの浮浪者…何故あんな態度を…?

―何故あれ程周りを気にしていた?

―何故。何故…

ひた、ひた、ひた

「…今度は何だ」

先程の男が来たのかと思い、高杉は目を閉じて寝転んだまま言った。

「…」

男は答えない。

奇怪に思って身体を起こすと、男は煙草の煙を吐きかけた。

「っ…ごほっ…」

「無様だな…高杉」

「…土、方っ…」
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