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□真夜中蜜味
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平日の深夜1時過ぎ。

『ただいま獄寺くん』

キミがソファから転げ落ちそうになるのが見えた。
合鍵を使って急に上がり込んだのだから無理もない。
『じゅ、10代目!』
『ごめんね急に。なんか無性に会いたくなってさ』
『…っ。俺なんかの為にわざわざ…。
俺っ、言って頂ければ何処へでも迎えに行きますよ?』
『あ、駄目駄目、』
『は?』

『迎えになんか来られたら、道っ端で襲う事になってたからさ』


…。


キミの可愛い笑顔がどんどん青ざめる。
俺の突然の訪問の理由がわかったらしい。
急で悪いけど、そーゆー事なんだよ。
ってゆーか気付くの遅いよ。

『…俺、なんか飲み物買ってきますねっ』
あ、逃げた。

でも無駄だと思うよ。
鍵は二重に掛けたし、玄関でキミがもたついてる間に…
ほら、追い付いちゃった。

『あのっ、俺んチ今、水しかないんですけど…』
『構わないよ。夜中に急に来たのはこっちだし。
それとも獄寺くんさぁ…』
『は…い?』

『ココで、シたいの?』

足元を指差す。
「ココ」は玄関。

『あっ、違…あのっ、』
『俺はベッドが良かったけどなぁ。キミがそう言うなら仕方ないなぁ』
『あの、…10代目っ』

あわあわしちゃって可哀相に。
今すぐラクにしてあげるからね。






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