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□幸せ日曜風味
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目が覚めると俺が隣で寝てました。






いつもの朝。
いつもの部屋。
いつものように貴方を起こすために少し早めに起きる。

貴方の寝顔を見れるこの一時が好きなんです。
それなのに。


「おはよ獄寺くん…。…。…あれ?」

目の前にいるのは間違いなく10代目。
でもその姿は鏡でしか見た事がない俺…。

「んー…どうゆうこと?」

…まだ眠そうな10代目、普段なら目を擦る貴方に胸が苦しくなるのに…。

まったくトキメかねぇ。…見た目って大事。




ゆうべまでは確かに貴方は貴方の姿でした。

起きたらこうなっていたから、一晩のうちに何故か入れ代わっていたと。
意味がわかりません。

「なんとかなるんじゃない?」

すごい余裕だ。さすが10代目。

「でも…、もしこのまま戻らなかったら…」

「まぁ一日戻らなくても今日は日曜日だしさ、明日には戻るよきっと」

「…俺、今日は外には一歩も出ませんっ!この体にもしもの事があったら…」

「獄寺くんさぁ…」

俺の姿をした貴方がこちらににじり寄る。
この違和感に…なんとなく後退りをしてしまう。

「それよりこの状況を楽しまない?」

「えっ…?」

「はいコレ!」

10代目のケータイを渡された。

「『獄寺くん』が卑猥なカッコで卑猥なコト言うからムービー撮って!」

ニカッ!
なんと忌ま忌ましい笑顔。あぁ…、俺ときたら仮にも10代目の笑顔になんてコトを…。

「…ぃぃぃ嫌です!」
すみません、これだけは譲れません。


と、
その時インターホンが鳴った。
救いに安堵する。

「あ…」

どうしました10代目。

「今日山本と遊ぶ約束してたんだ…」

あの野郎。
10代目に約束取り付けるとか図々しい真似を…!
って、
アイツと約束してるのは俺(仮)の方…?

「じゅじゅうだいめっ、どうしましょう…っっ」

「うん、まず服着よっか」

「ツナー?勝手に上がるぞー?」

…!!

階段を上がる音が近づく。



あぁ誰か…、

お願い、これは夢だと、言って…





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