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□青い月曜風味
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珍しく早くに目が覚めた。
狭いベッドに二人で寝てると、カラダと布団の間に隙間ができて少し寒い。
…ハダカで寝てるから余計。

隣で寝息をたてるキミを起こさないように布団をかけ直す。

普段は眉間にシワ寄りっぱなしのキミも、
寝顔は可愛いなぁ、なんて。
起きてるときも可愛いけどね。
1番可愛いのは……まぁ、うん。

朝目が覚めて、隣にキミがいるのってスゴク幸せ。
もう試験とか進路とかマフィアのボスだとか、
全部忘れてこのままがいい。

二人でどっか遠くに行っちゃわない?
…なんて言ったら、キミを困らせるコトになるのは知ってるけどさ。


だから今はキミをぎゅっとしたいんだ。


眠るキミにカラダを密着させて髪を撫でる。
いいにおい。
ずっと俺のでいてよ。

髪にキスしたらキミが目を覚ました。


『おはよ、獄寺くん』

『…おはようございます 10だいめ、早いですね…』

まだ眠たそうなキミ、早起きは苦手じゃないハズなのに。
まぁ、ゆうべ遅かったから。

『もう少し寝てなよ、また起こしてあげる』

『ありがとうございます…、いまってなんじですか…?』

時計はあんまり見たくない。

でもキミはそれを見つけたようで、閉じそうだった瞳にみるみる光がさす。

『申し訳ありません10代目!急がないと…』

『まぁ落ち着いてよ』

急に慌てるキミを制してまた抱きしめる。
今日は月曜日。

『でも学校…』

そうだよね。
でもさ、今日は

『水族館行きたい』

『え?』

『じゃあ海』

『…サボる気ですか』

うん。
今日は現実逃避の気分なの。

『…平日に中学生がウロウロしてたら、ドコ行っても補導されますよ』

まぁ、そうだね。
キミが言うなら間違いない。
行く場所がないなら、

『じゃああと少し寝て起きたら昨日のつづき?』

『え…』

何か言いかけたキミの口を塞ぐ。

困った顔も好きだけど、1番可愛い顔見せて。

そしたらキミの言い分も少しは聞いてあげる。

やっぱり今日は全部忘れてこのままがいいんだ。

二人でならドコでもいけるしね。




end

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