ダイヤモンド

□継がれゆく想い
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「和さん! 俺は、…お、俺は、もっと…もっと、…か、和さんに…投げ、たかった! …もっと、一緒に! …うっ、…まだ、終わらせたく…なかった。 …くっ、俺も、…和さんと…っつ、組めて、本当に…幸せでした! …だから、だから…、ううっ、余計に…、悔しい、です…。」

「…そうか。 なら、その悔しさを忘れるなよ。 来年、借りを返せ。 俺達が、行けなかった所まで行ってくれ。 お前はこれから、名実共に桐青の柱になるんだ。 これからの1年は、キツイぞ。 でも、準太ならやり遂げられる。 俺が認めた、最高の投手だからな。」

「…和さん。 俺、死ぬ気で頑張ります。 来年は…、絶対、勝って、…っ、勝ってみせます!」

「ああ。 楽しみにしているよ。 お前の活躍をな。 …よし、ヤル気もでたから、もう大丈夫だな。 それじゃ、俺は、帰るとするか。」

「え、和さん、帰っちゃうんですか。」

「おい、おい。 子供じゃないんだから、一人で帰れるだろ。」

「そ、そうじゃなく、て。 …もう少し、居て下さいよ…。」
「ふ、仕方ないな。 それじゃ、お前が泣き止むまで、な。 全く、利央といいお前といい、本当にこれから大丈夫なのか、心配になってくるな。」

「う、…利央と、一緒にしないで下さいよ…。」

「はは。 ま、いいコンビだけどな。 これからは、バッテリーとしても上手くやってけよ。」

「…アイツと組むの、俺、心配ッス。 …アホだし。」

「まぁ、そう言うな。 あいつも、頑張ってるぞ。 俺に、しょっちゅう、メールよこして、質問攻めだ。 あんまり、イジメんなよ。 …確かに、アホな所はあるけどな。」

「そう、なんッスか。 利央、そんな事してたんだ…。」

「このままじゃ、利央に頭上がらなくなるかも、しれないぞ。」

「え゛っ! …それだけは、嫌ッス…。」

「ははっ。 なら、やる事は一つだな。」

「はい。」

「…準太。 高校のバッテリーとして、もう組む事は無いけど、俺とお前の絆はこれからも変わらないからな。 何かあったら、すぐに連絡して来いよ。」

「…和、さん…」

「! …やっちゃった、な。 俺。」

「か、和さんが…、悪いッス、よ…」

「そう、だな…。」
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