ナナイロ
□虹 〜君へ届いたなら〜
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「きゃーーー!!!」
反射的に、目の前の山本に抱きついてしまった。
「お、おい。 大丈夫か?」
「か、雷ダメなんですー。 きゃっ、また…」
「そっか。 んじゃ、雷行くまでこうしててやっから。 安心しろよ。」
「!」
自分から抱きついてしまったとはいえ、山本に抱きしめられて思わず鼓動が跳ね上がるのを感じた。
濡れた服は簡単に体温を伝え、自分よりも高い彼の体温が冷えた身体に心地良かった。
そして、見掛け以上にその身体が逞しい事を知ってしまった。(ひゃ〜、…何?この心臓の音! 雷のせい、だよね…)
(参ったなー。 せめて、雷だけでも、行ってくれればなぁ。)
そんな事を考えている間にも、雷鳴が轟いて、その度に腕の中のハルが身を固くする。
(にしても…、小せーな。 力入れたら折れそうだ。)
何と無しに、腕の中で震えているハルを見る。
まだ乾ききらないブラウスから、うっすらと下着が透けて見えた。
(!!! うっ、や、やべーなぁ。 …しかもよく考えたら、今ってすげー、シチュエーションなのな…///)
今までは、友達としてしか見ていなかった。
初めて、異性として意識した。‐ハルには怒られるかもしれないけど‐
意識しないようにすればするほど、かえって意識してしまう。