ダイヤモンド
□量よりも質よりも?
1ページ/5ページ
「はあー・・・」
吐き出す息が、白く目の前を染めた。
冬至の頃に比べ、少し日が伸びてきたとはいえ、寒さは一番厳しいこの時期、もう夕方ともなると、陽射しは辛うじて残っていても、気温はあっという間に下がってくる。
それに加えて、時折強く吹く北風が更に体感温度を下げていた。
「ううっ。 寒みぃ〜な。」
かじかむ手をポケットに突っこもうとして、いつもなら無い筈の荷物を強く意識した。
「あー。」
改めて意識を向けると、その存在を示す、其れなりの重量を伝えてくる左手の紙袋を見下ろした。
その地味な袋の中には、華やかな色彩の小箱達が詰め込まれていた。