ダイヤモンド

□笑顔の理由
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何でだろ? ナーンか、ムカつくんだよな。
口を開けば、レンレンって、さっきから廉の話ばっかでさ。
…しかも、何でそんなに嬉しそうなんだよ。
確かに、俺だって、廉の事は気になるけど、さ。


久しぶりに会った幼馴染みは、上機嫌で話を続けていた。

「それでね、レンレンが、ちょっと、叶、聞いてる?」
「…聞いてるよ。 本当、よくもまー、次から次へと話が出てくるよなー。」
「だって、本当に凄かったんだもん。 あの、レンレンだよ!」
その時の興奮が甦ったのか、目を輝かせていた。

「あいつは…、廉は、前から凄かったんだよ。 ただ、…それを上手く使えなかった、だけなんだ。」
「え? そうなの? 使い方で、あんなに違っちゃうもんなの!? ってゆうか、使い方って何?」
「なっ、…まぁ、色々、あるんだよ。」
(ぅお、近っ! い、いきなり近付くなよなー。 ビビったぜ。 はっ! 俺、顔赤くなってる?)

「何よー、色々って。 それを聞いてんじゃない。 ちょっと、叶、何そっぽ向いてんのよ?」
「べ、別にっ。 本当に、色々あんだよ。 …簡単に説明出来ないくらい、さ。」
(畠達との事なんて言えないし、それに、もし畠がちゃんと廉を使えてたとしても、あの捕手ほどの組み立ては無理だろうな。 どのみち、あの捕手の力もかなり大きいのは確かだからな。)

「ふーん。 何か府に落ちないけど、ま、いいっか。 レンレンにとって、良い事には変わりないもんね。」
「!」
「? どうかした? 叶、なんか顔怖いよ。」
「…何でもねぇよ。」
「そう? なら良いけど。 でも、本当に良かった。 レンレン、笑ってたんだよ。」
「そう、か…」
(あの、廉が…。 …三星を出て、アイツにとっては良かったのかもしれないな。)
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