‡Z×C‡短篇‡
□欲
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シーツの海。
抜かずに三回目。
溺れた魚みたいに喘ぐ、美しい俺のコイビト。
今日は地上演習だったクラウドはクタクタで、多分今もう完全に限界。それでもなかなか三回目を終わらせない俺に焦れたのか、クラウドが潤んだ目で抗議してきた。睨んでるつもり?それ逆効果よ、クラちゃん。
「…、イきたい?クラ」
「も、きょ、無理…ッ」
「…ごめん、」
愛ゆえに、なんて綺麗事。俺なんかいっつも勃ちっぱなしな気がする。何で俺こんな、性欲ありすぎんだろう。好きだからとか、言い訳って言われたら反論できない。
だけど遠征で、逢うのは一ヵ月ぶりで。逢いたくて逢いたくて逢いたくてたまらなかったクラウドが、ここにいるのに。目一杯愛したいし、愛されたいのに。
気持ち良すぎて、愛さえ霞む。
あぁお前がこんな台詞聞いたら傷つくだろう。
でもさ。
やっぱ愛してるから気持ちいいんだよ?
「ッ、ん、クラ、」
律動が早くなる。自分の意志で動けない。とろけそうな甘い痺れが、背中から降りてきて。
がむしゃらに、腰をふる。
「んくッ、んん、ザッ…クス…ぅ!」
クラウドの甘い声。
まるで拷問を受けてるみたいに、眉間に皺を寄せて。びくびくと揺れながら、必死で俺にしがみついて。爪を立てて。
イく時薄く開く目の、濁った青が好きだ。
俺が放った欲望を受けとめて震える、この体が好きだ。
クラウドが好きだ。
「ごめん、ごめんッ…」
体と心を、いっそのこと切り離したい。
泣きたいくらい愛してるのに、体が先走る。制御できない。
そのまま4回目に入った俺は、泣いてるみたいな声で「好きだ」と「ごめん」を繰り返した。
容赦なく揺さ振られて、辛そうに喘いでいたクラウドが、不意に。
俺の髪を撫で、頬を撫で。優しい声音で。
「俺も、…好き…」
突然襲った強い射精感に耐えられず、俺は呻いて達した。
そのままクラウドを強く抱き締めていたら、優しい手が頭を撫でてきた。
涙が出そうだった。悲しいんじゃない。愛しくて。伝えるすべが見当たらないもどかしさで。
だけどクラウドは。
「ザックス」
「…、」
「…ちゃんと、分かってるから苦しまないでよ、」
神様
コイツを守れる力を俺にください
世界が滅んでも
コイツさえ生きていればいい
罰あたりな、と。
お前は笑うだろうか。