Novel in TWICE

□Happy Mina Day
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3月24日。深夜零時。風呂上がりに少し部屋でクールダウンしてれば、いきなり携帯の画面が光って。何かと思えば通知の嵐。


嗚呼、そう言えば今日は私の誕生日なんだっけ。なんて考えながら携帯を手に取る。




スタッフさんからは勿論、マネージャーさんや仕事でお世話になった方々からも来る。

メンバーからも。でも、零時を過ぎても一向に送ってきてくれない人が居た。まあ毎度の事だ。どうせ寝てるのだろうと思い、私は携帯を閉じる。



「 明日になれば言ってくれるでしょ。」



朝になり、仕事に向かって。また現場でも祝って貰えて。今日は幸せな日だと確信しながら仕事が終われば、メンバー達に会って。


チョコレートケーキを渡してくれたし、皆で食べたし。その中に最愛の人も居た。零時過ぎても祝ってくれない最愛の人が。



「 みーたん。」


「 あ、ももりん。」


「 ごめん、夜中爆睡してた。」


「 だろうなとは思ってたよ?」


「 ごめんね、改めて誕生日おめでと。」


「 ありがとね、ももりん。」


「 今日、夜空いてる?」


「 うん、空いてるよ?」


「 じゃあ、久々に二人きりになろうよ。最近なれなかったし。」


「 うん、そうしよ。ていうか、そうしたかった。」


「 分かった、じゃあみーたんの家行くな?それともこのまま行こか?」


「 このまま行こうよ、一旦帰ってとかやるの面倒でしょ?」


「 うん、面倒。」


彼女は笑いながら私の頭を撫でる。他のメンバーはケーキを貪るかのように食べて、私の鼻にクリーム付けたり。この時間が好きだな、なんて思えば解散して。


私と彼女は一緒に帰宅して。何かと少し大きい荷物を彼女は持って来てて、” なにそれ?” と聞けば ” 秘密 ” なんて返してきて。何コイツ、とか思いながら今日は中々幸せな日を過ごしたなと振り返って。


取り敢えず、二人で夕食食べたりお風呂入ったりってくつろいで。きっと彼女は泊まる気でいるんだろう。まあ私も泊まってくれると思ってる。



唐突にテレビを消して、彼女が言葉を紡ぎ始める。



「 みーたんはさ。」


「 うん?」


彼女は私の方を向き真剣な目で見つめてきては、座り直して。


「 もう25歳やんか。」


「 そうだね。」


「 そろそろ一人で住むのも寂しいやんか。」


「 いや、別に寂しくは… 」


「 寂しいやんか。」


私の回答に納得が行かなかったのか少し主張を強めて述べてくる。

そんな彼女が可愛くて、つい頬が緩んで。彼女は少し むっ、とした顔を浮かべたけど直ぐに話を戻して。


「 寂しいやんな? 」


「 うん、寂しいよ?」


「 寂しいやろ?やからさ、ももと一緒に住まへん?」
急な発言に私は少し戸惑って。


「 えなに?もう1回言って?」


「 やから、一緒に住まへん?って。」


「 なに?一緒に住む?」


「 そう。」


彼女は結構澄ました顔で此方を見つめてきて。私は彼女の言葉に頬を赤く染めれば、少し顔を逸らして。


何を言い出すのかと思えば、一緒に住もうなんて大胆な。



「 良い、うん、良いよ。住も。住みたい。住もうよ。」


「 うん、住む住む。」


「 うん、住みたい。」


「 やから住むって。」


思わず笑みを零せば彼女は ” 可愛い、” なんて声に漏らして。


「 でも、もう一個言いたいことあるんだよ。」


「 ん、なに?」


同棲の話に浮かれ気分でいれば、彼女はまた真剣な面持ちになって。


「 この一緒に過ごしてきた数年間。ももが一目惚れして、猛アタックして付き合って。付き合ってからの期間。ももはずっと考えてた。この子と結婚したいって。」


結婚したい、その一言がキッカケで胸の鼓動が早まって。彼女は次に何を言うのだろうと期待しているからなのか服を握る力が強くなるのがわかった。



「 結婚しなくても良いこの世界で私は、あなたと結婚がしたいのです。あなたとこれからも幸せな日々を過ごしたい。思い出を作りたい。だから、私と結婚してください。」


そう私に投げ掛ければ震える手でポケットから小さなネイビー色の箱を出して来て。ゆっくりと蓋を開ければ、そこには照明に反射して光り輝く指輪があって。


恐る恐る私の目を見つめながらそれを差し出したままで居る。



「 可愛いよね、本当に。私の誕生日まで、それを言うの待っててくれたってのを考えると本当に胸がいっぱいになるよ。勿論、私で良ければ結婚したいです。」


彼女の言葉に返事を残せば彼女は瞬く間に笑顔になって。指輪を私の薬指に嵌めれば優しく口付けをしてくれて。


「 はああ、、緊張した。」


「 伝わってたよ、手震えてたもん。」


「 うそ、ほんま?うわ、恥ずかし…」


「 そういう所も好きだよ?」


「 ん、そういうのずるいと思います。」


口元を隠す彼女の左手を見れば薬指には同じ指輪が嵌められてて。嗚呼、彼女と夫婦になれたんだと嬉しくなれば思わず抱きついてしまって。


「 お、どうしたの?」


「 ちょっと愛おしさが爆発した。」


「 今の発言で私の気持ちも爆発した。」


彼女は ぎゅう、と強く抱き締め返してくれる


「 んふ、これから宜しくね?旦那さん。」


「 勿論。宜しくね、奥さん。」



少し長めに口付けを交わせば微笑みを交わして。


今まで生きてきた中で最高な瞬間を体験出来たのだなと実感して。初めてこの日に生まれて良かったと心から思えた気がする。









誕生日何て、来て欲しくなかった。何も楽しくなかった。けれど、彼女に出逢ってから誕生日が待ち遠しくなった。


本当に有難う、これからも愛してるよ。ももちゃん。










お誕生日おめでとう、私。
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