shyz
□愛よりも深く
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「んっ……ふ、ぁ…んむ、……っ」
息をつく間もない、重なる唇は何度も角度を変え、キスの音だけが部屋に響く。
結弦の細い腰をさらさらと撫でていた翔平の大きな手は下へと降りていき、すでに熱を持ち始めていたそこをゆっくりと上下に擦り始める。
「んっ!」
与えられる刺激にびくりと歓喜し自慰の単純な快楽とは違う感覚に、全身を巡るピリピリとした弱い痺れと腰の奥に鮮烈な快楽が走っていく。先走りがにじみでて滑りがよくなったことで扱くペースははやくなり結弦はあっという間に頂点に達しそうになる。
「っあ……っ……!」
腰が浮き精液が飛び出し高まった熱が解放される。
射精後のけだるい表情のままボーっと翔平を見つめていると、太ももに硬いものがあたっていることに気づく。
それは凶暴とも言える翔平の勃ち上がった性器だ。鋭く天を向くそれに結弦は目を離すことができない。自然と口の中に唾液が溜まっていき、一度精を放ったものの身体はまた熱を求めるように、お腹の奥がきゅんと疼く。
「ねえ…」
結弦は身体を起こし翔平の前で、四つん這いになる。
「ん……?」
「舐めてもいい?」
彼の体格に見合った、立派にそそり立つ陰茎を優しく上下に撫でいく。
上目遣いで見つめると、翔平の喉骨がごくりと隆起するのが見えた。そして小さく頷いたのを合図にゆっくりと、裏筋を小さな舌で上へとなぞるように舐めていくのを繰り返す。亀頭を口に含み、軽く吸い上げると液が増しさらに硬くなる。翔平のそれは一般の男性よりもかなり大きいため、結弦の小さな口に全てを含むのは難しいが、それでもすべてを含ませて翔平に感じてもらいたいと頬張る。
「ふっ、うぅ…!んンッ!」
口に含められる限界まで進み、口内で舌を添えながら上下に扱く。口いっぱいに広がる彼の塩辛い味と雄の匂いに、お腹の下辺りの疼きが増す。それがもどかしくて、無意識にお尻が左右に揺れてしまう。逃がしようもない溜まった熱を解放したくて、自分自身を扱こうとしたとき、翔平の手が結弦の頭を掴んで、思い切り前に引き寄せ、喉の奥まで咥え込ませた。
「んっ!ん!んん!お、ぐ…ぅぶっ」
翔平の突然の行動と、喉奥まで一気にきてしまった大きすぎる陰茎に見開いた目から涙がこぼれる。嘔吐しそうになるのを耐え、必死になって歯を立てないように口を開く。苦しくて翔平の太ももに爪を立てるが、気にすることもなく翔平は結弦の頭を掴んだまま、上下へと揺すり始める。口内を犯されている感覚と、いつも優しくて少しシャイな翔平が見せる強引な行動がさらに結弦の身体を高まらせた。
「……ゆづ…ッ!」
「んぅ、は……ぁぷっ」
喉の奥に熱い精液が叩き込まれる。量が多く口の中で絡みつく精液を、息を荒げながら少しづつ飲み込もうとする結弦の頭を、大きな手が優しく撫でる。
白濁の汁をすべて飲み込んでも口いっぱいに広がった苦味は消えず、それすら興奮の材料になる。
一度射精したはずの翔平の性器はまだ変わらずそそり立っている。
(まだ…あんなに勃ってる…)
ゾクンッと背筋が甘く震え、恍惚の表情を浮かべる結弦をみて翔平は喉奥でくつくつと笑う。
「もう!…はやく続きして」
余裕そうな翔平に少しムッとした結弦は翔平の性器に白い尻を擦りつけて誘った。
****
「…ッァ、んん、ッん、ン〜〜…ッ!」
ゴツゴツとした二本の長い指が結弦の中をほぐしていく。昨夜の名残でまだ中は柔らかくなっているため、すんなりとほぐれるが、その間はじれったい、弱い刺激が続いた。結弦の頭の中は先ほどまで口内を犯していた熱い塊のことしか考えられない。
「ね、は、はやく、挿れて……っ」
「… まだダメ、ちゃんとほぐさないと」
「…っん、…っん。」
もどかしい快楽が続き、すでに腕を支える力が抜けてお尻だけを高く上げているはしたない格好で尻を揺らす。
結弦の身体を気づかうための準備だが、それよりも弱い刺激だけを与えられる方がつらかった。
どのような言い方をすれば翔平が欲情するのか。余裕を奪い去って、はやく強く求めてほしい。
「もっ、きてっ、はや、くぅっ…ぃっしょに、きもちよくなりたいよ…!」
その甘い誘いは、目覚めたときから腕の中で可愛らしく甘える結弦をすでに抱き潰したいと思っていた翔平の理性を完全に溶かした。
結弦を包む影ができる。翔平に後ろから覆い被さられたのだと気づくと同時に、ピンクの尻穴にぐりぐりとなすりつけられる硬くなった剛直に、その刺激だけで甘い息が漏れ出す。はやく中へと即すように穴はヒクヒクと疼く。
待ち望んでいたものがゆっくりと入り口に侵入し時間をかけて奥へ奥へと入っていく。
「はぅ……っ!」
少しの圧迫感もあるが、それを上回るほどの快楽に全身が支配される。
「…ゃ、ふか…深ぃ…っ」
「ゆづ…痛くない?」
「…ん…大丈夫っ」
いつもと違う艶のある低い声が耳元にかかる。それすらも刺激になり無意識にギュッと中のものを締め付けてしまう。
「んっ……ッ、ぅっ!……ッ……!!」
それを感じとった翔平は緩やかな動きだったものを少しずつ、結弦の身体を気遣いながらはやくしていき、その大きすぎる陰茎で前立腺を刺激され続ける。
「あっ、ああっ、だ、だめ……っそんな……っ、つ、つよく……っ!」
たまらずシーツを指が白くなるまで握りしめる。耳に直に当たる、翔平の荒い息に脳まで犯されているように感じてしまう。
「ああっ! あっ――――ああぅっ! い、イっちゃ……ぁっ!」
びくんッと白い身体が痙攣し、性器から白濁を吐き出す。
汗ばんで上気した色白の肌がピンクに染まって細かい痙攣を繰り返し、白いシーツの海で波打つ身体はカーテンの隙間から差し込む光に照らされている。結弦の色気にあてられ、翔平は結弦を休ませることなく、すぐに身体を仰向けにし今度は一気に奥まで挿入した。
「――――っ!!」
奥をごりっと抉られて、びくびくと痙攣する。呼吸を忘れてしまうほど強烈な快楽に襲われ結弦は声を上げることさえもできない。快楽に悶える姿を見て翔平は自分の身体にすっぽり収まる結弦を強く抱き締め、再び律動を開始する。
「ひぃっ!あっ!やぁ……!」
後ろの刺激だけで精を吐き出し、敏感になっている状態の結弦にはお構いなしで、ベッドが小刻みに揺れてしまうほどただ快楽を求めるよう激しく突き上げられる。例えるならズンッと音がしそうなほど力強く何度も執拗にこすり上げながら最奥まで弄る。
「っ、あ、あ〜…っ!しょへっ、」
頭も身体も追い付けないほど、押し寄せる快感が途切れる事なく逃げを打とうとする身体も体格が大きな翔平に抑え込まれるように抱き締められていればどうすることもできない。
自分じゃなくなってしまいそうなほどの快楽が怖くてどうにか紛らわせようと翔平の肩を噛もうとするが、口に入った汗のしょっぱい味と男臭い匂いに全身で翔平を感じてしまいあっさり絶頂に昇りつめ、中の熱いモノをキツく締め上げる。激しい快楽に身体を小さく痙攣させながら結弦は無意識に互いの身体が離れないように翔平の腰に両足を回しぴったりとくっつくようにした。
「ふ……ぅう、う、ん……」
「…く…っ」
中に埋まっていた陰茎が脈打つ振動と、奥深く注がれる熱い精液を感じとり結弦も後を追うように精を放った。
****
水が重力に従い落ちていく音が聞こえる。
水の中に浮かんでいるよな浮遊感と、身体が何かに包まれているような暖かさだった。
「う…」
「あ、起きた?」
結弦はまだ働かない頭で、顔の上から聞こえる声とお腹に回った腕を見て翔平の胸にもたれかかるようにして抱えられていることに気づく。
あの後、気を失ってしまったようだ。
まだ結弦の身体は快楽の余韻が続いており腰の奥に響いてるような甘い感覚に心が満たされている。
全身の気だるささえも今は心地良く感じる。
結弦は下腹を労わるように撫でる大きな手に自分の手を重ね、ゆっくりと向かい合うように身体を動かし翔平の逞しい胸板に顔を埋める。
「身体大丈夫?」
穏やかな翔平の心音にうとうとしていると心配そうな声が頭の上から聞こえる。
結弦から誘ったものの、後半は強引にやられっぱなしだったので少しのイタズラ心で拗ねたフリでもしようと思った結弦だが、翔平の顔が今にも捨てられそうな子犬のように不安そうなのでそんな考えは吹っ飛んだ。
「また、しようね♡」
そう耳元で囁くと、恥ずかしそうにして視線を合わせなくなった翔平を見て結弦は満足そうに微笑んだ。