shyz


□yzくんにキスがしたいshさんの話
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結弦と付き合いはじめてはや2ヶ月。
翔平はある壁に直面していた。
それは未だに結弦とキスをしたことがないということ。もちろんしたくないなんてことは断じてない。これはキスをしてもいい雰囲気だなと思う場面は2ヶ月の間何度もあった。ただあの結弦のぷるっとした薄ピンクの形の良い唇をみるだけで翔平の心臓の鼓動は爆発しそうなほど速くなり脳内の思考が停止してしまう。それに加えてあの天使はとうに成人した男性だというのに全く性を感じさせない。そんな結弦にキスをするなどちょっとした謎の罪悪感もある。
しかし結弦にキスがしたい。そしてその先も…という考えは日に日に募っていく。
男として自分からリードしたいと思いつつタイミングがなかなか掴めない。結弦にはかっこいいところをみせたい、そして何より嫌われたくないという思いも翔平の気持ちを臆病にさせていた。


「これずっと見たかった映画!やっとレンタルされてたよ〜」
とある日の昼下がり。多忙な2人の予定が合い2人でまったりと家で過ごしていた時、結弦の一言から話題の恋愛映画を観ることになった。もちろん翔平の脳内は映画の内容など入ってこず結弦のことしか考えていなかった。
(「恋愛映画だし雰囲気もあるしゆづもリラックスしてる今がキスしてもいいチャンスじゃないのか!いや、でも楽しみにしていた映画みたいだし真剣な時に邪魔されるのもいやかな…それにしてもゆづ可愛いなあ〜)
ちらちらと結弦の表情を見つつ翔平にぴったりと小動物のようにくっつく姿はとても愛らしく、それに加え映画を見ながらコロコロ表情を変える結弦に翔平は表情には出さずとも心の中ではニヤニヤしていた。
映画もクライマックスに近づき若いカップルが様々な困難を乗り越え再び愛し合うシーンで翔平もついつい見入っていた時、くいっと服がひっぱられた。それに気づくとともに結弦の顔がすぐ間近に迫っていた。驚いて固まっているうちに、唇に柔らかいものが当たる感触。ほんの一瞬の、それは初めての結弦とのキスだった。
「嫌だった?」
首をブンブンと振る翔平。
「ふふっ。ずっとしたかったんでしょ?」
「う…うん。もしかして気付いてたの?
僕がゆづにキスしたいってこと」
「うん。だって翔平くんずっと俺の唇みてるんだもん」
自分の唇に指を這わせながらイタズラに笑う結弦に翔平は顔が熱くなるのがわかった。
「いつキスしてくれるのかなあって待ってたけど翔平くん全然してくれないじゃん。」
それについては何とも言えなくなってしまう翔平に対して結弦が優しく翔平の大きな手に自分の手を重ねる。
「もっとしたい??」
「うん」
「じゃあ今度は翔平くんからね」
結弦が翔平の膝へと乗り上げ視線の高さを合わせた。翔平の大きな手が結弦の頬を撫でそしてゆっくり重なり合う唇。優しく触れ合うようなキスを繰り返していくうちその口づけは激しくなり2人の身体は倒れるようにソファに沈み込んだ。
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