hbyz


□開花2
1ページ/1ページ

自分の心の底にある、彼への欲望に気づかないフリをしていつもと変わらない日々が続いていくと思った。たとえばリンクサイドでピタっとした体のラインが強調される練習着でストレッチや柔軟をする姿は性別を感じさせない美しさがあった。その姿をほぼ毎日見ていれば彼の体を自分のモノにしたいという想いはどんどん膨らんでいく。でもそんなことできるはずない。ユヅとの友情関係が壊れてしまうほど恐ろしいことはない。だから僕はこの感情にしっかりとフタをしていたというのに。あの日からすべてが変わった。
いつもと変わらない様子で僕の部屋に遊びにきたユヅが発した「縛って」という言葉。その一言を聞いた時は一瞬理解できずにかなり混乱した。突然のことで驚いたけど、理由を聞いてユヅのためならばと思った。ユヅに教えてもらいながら手順通り縄を結んだ。シャツの上から、彼のしなやかな身体を縛り、高揚としたユヅの表情をみて、自分の中でフタをしていたあの感情の一部、「支配欲」が芽生えた。このままユヅのシャツを脱がしきつく縄を縛り上げその美しい身体を自分の欲望のまま貫いたらどうなるだろう。ユヅだってそれを望んでいるんじゃないのか。葛藤していた僕の理性を打ち砕いた彼の「もっとしたい」という誘い。それからはもう、目の前のユヅの体を味わいたいという欲望しかなかった。
僕はソファから立ち上がり、ユヅを抱き上げてベッドへと歩き出した。そしてぎゅっとしがみついたままのユヅを優しく下ろし問う。
「本当にいいのかい?僕はもう我慢ができそうにないから、やめるなら今しかないよ」
「ハビに抱いてほしい、お願い」
その言葉を聞いた瞬間僕は噛み付くようにユヅの唇にキスをし、彼の身体を押し倒した。そして耳朶を甘く噛むと、ユヅはそっと肩を震わせて僕の瞳を熱っぽく見つめた。ズボンの上から彼の柔らかな尻をひと撫でし、素早くズボンとパンツを脱がせればユヅの身体がビクッと反応した。
そして優しく、ユヅのすでに緩く反応している性器を上下に撫でていく。
「ぁ……っ!んっ」
「ユヅかわいいよ」
「ハビぃ、ハビも脱いでよ。俺だけ恥ずかしいよ」
照れながらグイッと僕の着ている服を引っ張ってくるユヅ。その姿も愛らしくて僕は自分の服を脱ぎながら、ユヅを感じさせようと陰茎を擦り続ける。液も徐々に溢れ出し、腕が濡れる。
「ぁ…あっ…ハビ、でちゃうっ…」
ユヅの絶頂が近づいてるのであろう、ユヅの可愛らしさ陰茎が赤く腫れて色づきビクビクと震えている。しかし僕はユヅが射精しようとする瞬間彼の陰茎から手を離した。
「ぁーー…なんでっ」
突然手を離したことにより待ちわびた快楽が途絶え呆然としているユヅ。
「なんで、ハビどうして」
ぐすぐすと泣き声をあげるユヅを見ると僕はもっと彼をいじめたくなる。
「ユヅ、君はこっちで気持ちよくならないとね」
そう言って、僕はすでにヒクヒクと収縮を繰り返してるユヅの尻穴をさらりと撫でた。
「ハ、ハビ…」
「かわいいよ、ずっとここ触ってほしそうにヒクついてる」
僕はユヅの濡れそぼった陰茎の液を指に絡ませその穴をゆっくりと撫でながら溶かしていく。だけどユヅもおそらく初めてだろう、指を入れるのも痛いかもしれないしまさかこんな展開を予想しなかったのでこの家にはローションがない。ユヅは嫌がるかもしれないが僕は先ほどからの彼の痴態に興奮していたから迷いなくユヅの秘部に舌を這わせた。
「ひっ……!なにして…っ!!」
舌が穴に触れた瞬間、ユヅの手は僕の頭を掴む。
「いやだっ!!ハビそんなとこ舐めないで」
ユヅの抵抗に構わず僕は舐め続ける。
舌を深く差し込んだり周りを吸い付くよう舐めまわしていくうちにそこはだんだんと柔らかくなっていた。
「ぁ……んぁ…ぁっ…」
ユヅの抵抗していた手も今はシーツを握りしめている。僕はだいぶほぐれてきたそこに指をそっと入れていく。
「ユヅ大丈夫?痛くないかい?」
「だ、大丈夫だから…はやくハビのほしい」
「ダメだ、もっとほぐさないと…僕のはここまで届いちゃうんだから」
ユヅの臍下を撫でながら彼の耳へと囁くと、それすらも感じたのかユヅの身体がビクッとして腹部が大きく上下した。そして中に入っている僕の指をギュッと締めつける。
「……ふ…ん……っ…お腹の奥、熱いよぉ…」
ユヅの表情はすっかりと欲望をひそませた雌の顔になっていた。
これ以上時間をかけると僕も我慢が効かなくなりそうだ。前立腺という部分は男性がすごく感じるポイントだと聞いたことがある。指を2本に増やし、ぐるりと中をまわすようにして前立腺を探していく。するとコリっとしたしこりのようなものに触れた、その瞬間ユヅの身体が大きくうねった。とろりと蕩けていた瞳は見開かれ、下腹部の痙攣がとまらず胎内の指をきゅんと締め付けた。
「んっ…ひぅッ…はっ、ふ、ぁ…あ♡」
その快楽に溺れる姿にもう僕は我慢の限界を超えた。ユヅの痴態をみてすでに準備万端の僕の勃ちあがった先端を彼の穴へと擦り付ければまるで待ちわびてるかのようにヒクヒクと反応する。そしてゆっくりと挿入していく。
隙間なく埋められていく感覚とギュッとした締めつけに圧迫感はあるが何よりユヅの中に入った喜びで心が満たされた。ゆっくりと律動を開始する。ズンっと前立腺に亀頭が当たるたびユヅの中の締め付けが強くなり中の分泌液も増し滑りがよくなり気持ちがいい。
「ひ、んっ♡…ハビきもちいよぉ」
「僕もだよ…ユヅ」
つなぎとめていた理性も限界に近づき、僕はユヅをギュッと抱きしめながら律動をはやめた。
部屋中にユヅの甘い喘ぎと肌がぶつかり合う音が響く。
「んっ、ぁああ、う、ひあ」
いつのまにか結腸寸前の奥深くまで受け入れユヅは涙をぼろぼろと流し快楽に溺れていた。
「ハビ…おれ、もうきちゃうっ…」
「ああ、ユヅ。イッていいよ」
耳元にあたるユヅの愛らしい声と息を感じながら僕は彼の性器を擦り上げながらドチュっと音がしそうなほどユヅの奥へと入り込むように突き上げた。
「あああああっ、ひ、ひぃいっ」
絶頂したことによるユヅの中の強い締め付けで僕もユヅの腹の奥深くへと精を放った。
「〜〜ッぁ―奥熱いよお…!」
目の焦点は合わずビクビクと全身を痙攣させ快楽から戻ってこれない姿に僕はどうしようもなく興奮した。
もっとだ…。もっと見たい。僕しか知らない。ユヅの姿。僕はソファ放置してあった緊縛用ロープを手にした。ベッドに戻り未だ快楽に震えるユヅを見下ろす。
「あ…ハビ、それ…」
「大丈夫だよ、ユヅもっと気持ちよくしてあげるからね」
僕はユヅの身体をうつ伏せにして彼の両手首を緊縛用ロープで縛る。
「そんなぁっ、むり、むりぃっ」
身体を動かすことも抵抗することもできず横に向けた顔を軽く左右に振ることしかできない。
そんなユヅの姿がとても愛おしく満たされた。
「ああ、ユヅ愛してるよ」
僕はユヅの細い腰を掴み一気に結腸へと突き上げた。
「ヒッ、ぐ、ぉああああーーー♡♡」
挿れただけでイッたのだろう。うつ伏せの状態で僕が乗り上げさらに手を縛られている。快楽を逃す方法などなくユヅは足をバタバタしながら全身を震わせる。その姿に僕のユヅに対する欲望は増すばかりだ。
「ユヅ、これからもずっと可愛がってあげるからね」
耳元でそう囁けば、それすら刺激になってるのだろう、甘い声を小さくあげながらユヅが首をゆっくりと縦に振る。

そもそもきっかけを作ったのはユヅだ。僕は君の隣で、チームメイトとして、ライバルとして君の傍にいれたらいいと思っていたんだ。芽生えていたユヅへの情欲、独占欲、支配欲、彼を愛する全ての感情を閉じ込めて花咲かせないようにしていたというのに。

ユヅもきっと「緊縛」と僕のあたえる快楽に依存してしまうだろう。もう今までの僕たちには戻れない。

「一緒に堕ちていこうね、ユヅ」
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ