短編

□いつか
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私と彼女の関係は…世間では許されない関係なのかもしれない。公にはできない、そんな関係。






「さやかせんせーい!」

「あ、三田さん」

「分からないとこあるので教えてください〜」

「三田!ずるいで!それなら私も!」

「順番に見ていくから…まずは三田さん」






彼女は…モテる、かなりモテる。当たり前だ…あの容姿であの性格……男女問わず彼女を好きになる人は多い。「一目惚れしました」って告白してる人もいたっけなぁ…




なんで私なんかと付き合ってるのか、1年経った今でもわからない。







「太田さん、ちょっといい?」


「…あ、はい」





呼び出すなんて珍しい…。仕事とプライベートをきっちり分ける彼女は学校で私を特別扱いすることもなく、みんなと同じように接していた。


彼女に連れてこられたのは、普段あまり使われないであろう教材室…?





ガチャ…



鍵まで閉めてどうしたんだろうか。




「どうしたんですか?先生」


「…2人やで?」

「あ…どうしたの?さやかちゃん」




学校で呼び出させるなんて滅多にないから、先生呼びが抜けなかった。




「あんな…噂やねんけど…」

「うん?」

「夢莉、2組の植村さんと…付き合ってるって…」


「それで呼んだの?」

「帰ってから…って思ったんやけど、どうしても気になっちゃって…」


「心配しなくても梓とは仲が良いだけでただの友達だよ。」


「でも夢莉…モテるから。」

「え?」

「よく告白されてるやん…」

「そんなことは…」

「嘘つき……有名やで?美人な太田さんって」

「モテるのはさやかちゃんでしょ?」


「あ…はぐらかした…」

「そういうんじゃ…」



チャイムの音が鳴り響き、気まづい雰囲気のまま別れた。






さやかちゃんはズルい。甘えん坊でちょっとヤキモチ焼きな姿は普段の姿とギャップがありすぎて、いつまで経っても慣れない。

その後の授業は集中なんてできなくて頭の中はさやかちゃんのことでいっぱいだった。




学校が終わり、さやかちゃんに一通のメッセージを送り、いつもとは違う帰り道を歩いた。



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