短編
□小さくなっちゃった
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「ぷにぷにぃ〜」
「にひぃ〜」
「あぎょ!」
頬を触ったり、ちっちゃい手で私の顔を包んだり、終いには顎を弄られたり…
「なにしてるん〜」
「さーかちゃ!かわいっ」
この調子ならいけるかも…と思い
「ゆーりたん、ちゅーは?」
そう言って頬を指差せば……
ちょっと雑だったけど
「っん!」
「かわいいいいい…」
「にひひぃ」
何その笑顔……目を細めてあどけない笑顔を浮かべる。
そしたら突然顔を近づけてきて頬を擦り寄せ
「さーかちゃ…すち…」
「へ!?」
顔を離して夢莉の顔を覗けば
「真っ赤やで」
「っな!!」
「ゆーりたんすきだよぉ〜」
「…///」
小さくなってもすぐ照れちゃうのは変わらないみたいで(笑)
そこから甘い時間を充分すぎるくらい堪能してれば…
「もうこんな時間…」
時計を見ればそろそろ夕ご飯の準備をしなきゃいけない時間で、、確か冷蔵庫にもう何もなかったから材料買いに行かなきゃ…だなぁ
沢山遊んで疲れたのかチビゆーりたんはうとうとしてる…体力も小さい子並になっちゃったんやな、、
そんな夢莉をソファに横にならせてタオルケットをかけ、私は出かける準備をする。
「よし、じゃあ…行くか」
夢莉を見ればもうぐっすりで、愛おしすぎる寝顔が堪らなくてそっと頭を撫でて玄関に向かおうとした瞬間…
何かを察したのかさっきまでの姿が嘘のようにパチッと目を開け起き上がってこちらを見てる。
あ、、まさか、、これって……
「さーかちゃ…どこ行きゅ?」
「えっと〜買い物に…」
「置いてきゅの?」
「夢莉その格好だと外出れんし…」
下着着てたとしても流石にTシャツ1枚では外に出れない…
「1人やぁ…や」
「でもな…買いに行かんと夕ご飯食べれんよ?」
「行きゅ…ゆーりも行きゅ!」
寝てる間にササッと行ってこようと思ったけどバレてしまったからにはなんとかするしかない。
でもなんとかってなんだ。。連れて行けないし、連れて行かなかったら行かなかったで泣きわめくだろうし、、、
「お留守番でき…」
「やぁや!できんぅ」
「でもなぁ…」
「さぁかちゃと、いっそがいぃ…」
誰かに買ってきてと頼めなくはないけど、多分こんな姿の夢莉みたら絶対に騒ぐし…本音を言うと、、かわいすぎるから見せたくない……
ソファから下りた夢莉はこちらに向かってきて、私の足にぎゅっと抱きつき、きゅるきゅるした目で上目遣いしながら言う
「どこにも行ちゃ…やぁ」
こんな顔でこんな可愛いことを言われて、それでも心を鬼にできる人がいるなら見てみたい。わたしには絶対無理だ…。普段甘えてこない夢莉にこんなこと言われちゃったら完全にノックアウト。
「ごめんね…一緒にいよっか」
「あぃ…」
結局、夕ご飯はデリバリーで済まし、美味しそうに食べる夢莉を見てたらデリバリーでもよかったかなと思えた。
「ゆーりーお風呂はいるよ〜」
「あーい!」
いつもじゃ2人並んで浸かる浴槽も
今日はちっちゃいゆーりを抱きかかえながら浸かった。
「ふぅ…」
「あたかいね」
「ねぇ」
チビゆーりも勿論可愛くて好きだけど、
いつも私を優しく包み込んでくれる夢莉が恋しくなる。
「戻らんかなぁ?」
「ん?」
「なんでちっちゃくなっちゃったんかなぁ」
「よしこちゃん…」
「え?…朱里?」
「んぅ〜」
「どゆこと?…ってゆーり!ここで寝ちゃダメやって!」
「ねみゅ…い…」
半分寝てる夢莉は私が髪を乾かしてる間に寝ちゃったみたいで
「先に乾かしといてよかったぁ…」
抱き上げてベッドに寝かせる。
そっと頬を撫でれば気のせいかもしれないけどニコッと微笑んだ気がした。
「おやすみ」
そう呟き頬に唇を寄せて寄り添うように私もベッドに横になった。