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□優しいウソ
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「もう泣かなくていいんだよ?」
「やって、初めての誕生日でもらったから…」
「そんな高くなかったし、ね?」
「うん…」

それでも大事にしてたからってその後もずっと泣いてた彩さん。付き合って3ヶ月と言うこともあって高校生にしては奮発して買ったピアス。彩さんに似合うだろうなって言う気持ちと大人の男なんかに負けないと言う気持ちを込めて買った。

渡したときの喜んでくれた笑顔とかずっと大事そうにしてくれてた姿とかみんなに自慢していた姿がとても可愛かった。

彩さんからしたら値段とかどんなものかは関係なくて私から貰ったということが何より嬉しくてずっと私がそばにいるようだと思ってくれていたらしい。


「目、腫れちゃうんじゃない?」
「明日やばいかな…」
「蒸しタオルで温めれば大丈夫だと思うよ。いま準備してくるね」
「うん…」

彩さんの泣き顔も好きだけどやっぱり笑顔が好きだな…。







「なにかお探しですか?」
「あ、ピアスなんですけど」
「ピアスでしたらこちらにございます」
「ありがとうございます。」


あっ、あったあった。私が緊張しながら初めて入ったアクセサリーショップ。

「あの…」
「はい」
「この、赤いピアスください」







「え?!嘘?!どこにあったん?」
「私の部屋のベッドの下にあったよ」
「えー!探したのに。ちゃんと見てなかったんかな?」
「見えにくいところにあったし小さかったからわからなかったんだと思うよ」
「そっか…、よかった」


そう、その笑顔が好きなの。
あー、でも嘘ってバレたら怒るかな?
優しいあなたは嘘が嫌いだもんね?

「夢莉ありがと!大好きっ!」
「うわっ、ふふ、私も大好き」


でも優しい嘘だから許してね?


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