ジヨテソ
□メルヘンな彼
1ページ/5ページ
人は見た目じゃない
よくこの言葉を芸能人がインタビューで言ってたり、著名人が本に書いていたりするけれど、本当にそうだろうか?
自分の好みの見た目じゃないと、中身を知ろうなんて思わないんじゃないのか。そう思うことは正直多々ある。
代表例、僕、カンデソン。
目は細いし、鼻は大きいし、唇も分厚いし、歯並びも悪い。おまけにネガティブで人見知りで・・・
自分で言うのも嫌なんだけど、僕は友達がいない。
もちろん彼女だって出来たことない。
顔は下の下。性格も下の下。
唯一喋るとしたら義理のお母さんか義兄弟のスンリぐらいだ。・・・まぁ、スンリには嫌われてて、学校では話しかけるなって言われてるけど
そんな僕が学校からの帰り道にネコを見つけた。
綺麗な毛並みに、細身の体型。長いしっぽをゆらゆらと揺らしながら、透き通った鋭い瞳が僕のことを見つめて、無意識の内に僕はそのネコに惹き付けられていった。
「こんな所でなにしてるの?」
返事なんて返って来る訳もなく、そのネコは首を傾げてこちらを再び見つめ出した。
フフッ、何言ってるか分かるのかな?
思わず笑った僕を見て、ネコは目を丸くした。
ホントに言葉分かるんじゃない?このネコ。
明日は雨降るって聞いたし、このままじゃこの子危ないかな。
「キミ、良かったらうちにくる?」
なんだかナンパしてるみたい、なんて1人で思いながら僕はネコに話しかけた。
ネコは相変わらず僕を見つめながら、「ミャ〜」
と鳴いた。
僕はそれを都合よく肯定だと判断して、お家に連れて帰ることにした。
僕にも初めての友達が出来たなぁ。
お母さんに許可取ってないけど、別に雨が止んだらまたお外に返してあげればいいよね・・・?
数日だし黙っておこう。