タプテソ
□一緒に溶けたもの
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「はい!OKでーす。」
今日はバラエティ番組の収録で、僕達はテレビ局に来ていた。たった今収録が終わり、メンバーそれぞれスタッフさん達に挨拶しながら、スタジオを掃けていく。
着替えをするために楽屋へと戻ろうと皆から抜けて、僕は御手洗に向かった。すると、前から東方神起として活躍する、チョン・ユンホことユノ先輩がやってきた。
「おぉ、テソン久しぶりじゃん!今収録終わったんだって?お疲れ様」
「お、お久しぶりです!そうなんです〜、
ユノさんはこれからですか?」
「なんだよ〜前にペミリで共演した時は仲良くしてくれたのにユノさんなんて、もう他人扱いか〜??」
笑いながら小突いてくるユノさんに僕は苦笑いを返した。
(だって緊張するんだもん・・・!)
僕らにとったら東方神起は偉大な先輩であり、
ユノさんはカッコよくて、大人っぽくて、爽やかで、股下何センチ!?って感じだし、話していて粗相を仕出かさないか気が気じゃないのだ。確かにペミリでは軽口叩いたりしてたけど、実際気を悪くしてないかすんごく気にしてたんだから!!
・・・まぁ、僕が人見知りでなかなか心を開かないのもあるけどさ
「あ、そういえば明日SBSで収録同じだよね?
久々BIGBANGに会えるの楽しみにしてるよ」
そんな僕の気も知らないで喜々と話しているユノさんを僕は貼り付けた様な笑みで見上げていた。
「はい。スンリもユノさんにすごく会いたがってて、楽しみだって言ってましたよ!」
「ふふっ、テソンは楽しみにしてくれないの?
俺はテソンと会えるのすごく楽しみにしてたのに・・・」
ユノさんは含み笑いをすると僕に手を差し伸べ、握手を求めてきた。たまに読めない所もあるし、ホントに不思議な人だなぁ
「ええっ?!ありがとうございま・・・す??」
真意はよく分からないが、リップサービスぐらいに捉えた僕はユノさんの手を取り握手に答えようとしたが、その瞬間肩を引かれ、握手は叶うことはなかった。
「お、タプだ。」
僕はユノさんの声に思わず顔が引き攣った。
今僕の肩を引き、首に腕を回して離さない男、
タプことTOPは僕のメンバー兼恋人だった。
(ま、まずい・・・!)
慌てて後ろを顔だけ振り向くと見慣れた端正な顔立ちが間近にあって少しだけドキッとした。
「・・・お久しぶりです。」
けれど彼のいつもとは違う不機嫌そうな声を聞き僕は再び焦り始めた。
何にせよ、僕の恋人はとても嫉妬深い。
「あいつはテソンのことエロい目でみてる!」
やら、「おい!進《ちゃん》ってなんだ!相当親密な相手だったらそんな風に呼ぶって聞いたぞ!!」
なんて理不尽なことばかり言ってくる
(っていうかこのままじゃ危ない・・・!)
きっと彼のことだからユノさんにも変な対抗心をら燃やしてるのだろう。このままだと先輩に失礼を働いてしまう可能性がある
「あ、あの!ユノさん!!僕達これからちょっとスケジュール詰まってて・・・!収録頑張ってくださいね!それでは・・・!」
「お、おう・・・」
早口で1人ユノさんに捲し立てると、僕はタッピョンの腕を無理矢理引き剥がし、そのまま彼を引きずりながら楽屋へと戻った。
「・・・テソナが浮気した」
楽屋へ戻るなり、不機嫌そうにした彼が僕に撓垂れ掛かってくる。
「ヒョン!いい加減にしてください!相手はあのユノさんですよ!?!」
「だって、手繋ごうとしてた・・・」
「ただの握手でしょ!?いい加減赤ちゃんする相手も考えてください!!」
僕は本気でタッピョンに怒ってるのに、ヒョンは
赤ちゃんする相手って何?言い方可愛いテソンア
なんて言いながら今度はドゥフドゥフ笑い出すからイライラする。
「まぁまぁテソナ、ヒョンもカッコイイ人とテソナが一緒だと不安なんだよ。許してあげてよ。」
会話を聞いてたジヨニヒョンが笑いながら僕を宥める。ふとタッピョンを見ると、またさっきとは打って変わってシュンとした様子で僕のことを見つめていた。
(僕がそういうの弱いの知っててやってくるんだから・・・)
簡単に許してあげるもんか、今回という今回は僕もう流されないんだから!!
心の中でそう決心して、僕はプイッとタッピョンの顔から視線を背けた。
横から「テソナァ〜」なんて半泣きになってるタッピョンの声を無視しながら、僕はスマホを弄り出した。