タプテソ

□LOOK AT ME
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芸能界。それは本当に激しい争いが繰り広げられている世界だ。

YGプロダクション。韓国で大手3大事務所に入る内の1つに、僕はソロ歌手として所属することができた。この間も新曲を発表して、ゆーつーぶで再生回数が1日でミリオンを達成した。
先輩にもたくさん褒められ、僕の機嫌は上昇中


だったんだけど・・・



「ねぇ・・・ヒョン、あれなに?」

僕は目の前の光景が信じられずに、思わず隣にいるマネージャーヒョンに尋ねた。
するとヒョンは決まりが悪そうな顔であー・・・うーんと唸りだし、優しい声で僕にこう言った。

「いやぁ・・・実はな、最近新曲出したGD&TOPの勢いが凄くてさ・・・社長が貼り替えたんだよ・・・」


うちの事務所は2つあって、最近出来た新しい事務所には、特大看板があり、そこに載るYGの人間は言うところの事務所の顔的芸能人だった。
昨日まで僕があそこに載ってたのに・・・

なんでよりにもよってアイツ・・・!??

あまりのショックにその場で動けずにいると、背中に誰かがドンっとぶつかってきた。

あ、すみません。なんて反射的に謝り振り替えると、そこに居たのはよりにもよって僕が1番会いたくないGD&TOPのTOPだった。

「あ〜ごめん、背が小さくて見えなかったぁ〜こんな所で突っ立っちゃて・・・もしかして、俺とジヨンの新しい看板でも見てくれてたの??」

生意気な口を聞いてくるコイツ、TOP(本名なんて知らない!!)は僕より2年も後輩の癖にタメ口を聞いて、いっつも突っかかってくる男だ。
僕がこの業界でいっちばん嫌いで苦手な奴・・・!!

「別にただ外眺めてただけだし・・・身長3cmしか違うけどね。っていうかいつになったら敬語使えるようになるの?そんなんじゃ芸能界やってけないよ?」

「え〜い、強がっちゃって・・・それに身長も盛ってるだろ?見栄張らなくていいって〜!それに年齢は俺の方が2歳も年上なんだから、お前がヒョンに敬語使わないとダメじゃない?てか、もう事務所の看板は俺らだから、ここで看板見てリフレッシュすることも出来ないね!なんかごめんね〜テソナ〜」

コイツゥ〜〜〜〜〜!!
ほんっとムカつくんだけど〜〜!!
あんまりにも僕がTOPを睨みつけるから、マネヒョンがあわてて僕をその場から連れ出そうとした。僕は最後にアイツになにか言ってやりたくて、マネヒョンを遮ろうとしたが見事に首根っこを捕まれて、ズルズルと連れていかれた。

最後にアイツの腹を抱えて笑う姿を見た瞬間、僕の脳の血管がいくつか切れた音が聞こえた。
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