KOOKV
□お仕置き
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【グクside】
もしかしたら俺は今、人生で最も強い憤りを感じているかもしれない。あれだけ止めたのに。
腹わたが煮えくり返る思いで、死ぬほど憎くてそれでも愛おしい恋人の帰りを待つ。
ピンポーン
玄関で怒りに震えながら立ち尽くしていたためすぐに扉を開けることも出来た。だが、ずっとここで待ち構えていた事実を知られるのが何となく癪だったから6秒数えてからドアノブに手をかける。6秒待てば怒りは鎮まるとか聞いたことがあるが、びっくりするほど効果がない。
ガチャ
そこに居たのは知らない男と、その男の腕の中で眠るヒョン。
『すいません、無理させちゃって。』
「いえ、こちらこそ申し訳ございません。ご迷惑おかけしました。では。」
人当たりのいい笑顔を浮かべながらそれだけ言って、まだ眠っているヒョンを軽々と持ち上げる。きっとあの人は俺のことを弟だとでも思っているだろう。まぁ、そんなことはどうでもいい。さて、この馬鹿な恋人をどうしてくれよう。憎たらしい寝顔を眺めながら考える。