Short Story
□ちょっとタイプの常連さん
1ページ/3ページ
「この雨じゃ今日はもうお客さん来ないかもね〜」
『そうですね。』
「優希くんもう上がっていいよ。」
店長が早上がりを許してくれるなんて珍しい。
もちろんその厚意を俺はありがたく受け取ることにしてエプロンに手をかける。
その時
カランカラン
無情にもエプロンを外す寸前、入り口の扉が開く音がしてしまった。
お客様の顔を確認して店長を見る。
「ごめんあと少しだけお願い。」
『はぁ・・・仕方ないですね。』
口ではそう言いながらも俺の口角は確かに上がっていた。
【ちょっとタイプの常連さん】