小さな話

□大空に焦がれて…
1ページ/5ページ

大空は、総てを包み込む…

嵐を包み…

雨を包み…

晴れを包み…

雷を包み…

霧を包み…

そして…

雲をも包む…



絶対に誰か一人の者にはならない。
大空は、誰にも、優しく平等だ…でも、皆大空を独占したいと思っている。


そんなの、許さないけどね。僕だけが、ゆういつ大空を総てから隠せる…地上が見えないまでに覆い隠せる…

だから…君は、僕のもの…他の誰にもあげられない…大空は…ゆういつ雲の傍にいればいいんだから。




「雲雀さん、何考えてるんですか?」

「…別に」

何時もの応接室で綱吉とお茶をしている時にフッとそんなことを思っていた。

大空(綱吉)は、総ての守護者に愛されている。
最初は、敵対していた霧の守護者までにも、愛されてしまったなんて。
厄介だよ…ほんと。『大空は総てを包み込む』…か。すべてが総とは言えないだろうが、綱吉はその優しさゆえに総てを包み込んでしまった…この僕でさえも。

最初は、僕に怯えていたくせに、いつの間にかこうして一緒にお茶をする仲になっていた。ただ一つ僕が、安らげる時間。
この安らぎをずっと独占したい…
君は、どうしたら…僕だけを見てくれる?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ