小さな話
□君がいるだけで
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今日は、一番の冷え込みらしい。そんな中俺、沢田綱吉は恋人の雲雀恭弥さんと二人で歩いていた。
「雲雀さん、今日は一番冷え込む日だそうですよ。」
っと言うと
「ふーん」
としか返って来なかった。
俺達は、付き合い出して二ヶ月たつ。なのにこの二ヶ月恋人らしい事は何ひとつしてはいなかった。
俺としてはもっとラブラブしたいのに…でも、群れる事の嫌いな雲雀さんにそんな事言ったらご自慢のトンファーの餌食になるかもしれないので言えないでいた。
そんな事を考えている時に雲雀さんが話しかけてきた。
「綱吉は、僕の事キライなの…」
「…そんな嫌いなんてあるわけないじゃないですか。」
「じゃあ、なんでそんなに離れて歩いてるのさ」
そう…二人で歩いているといっても実際は、俺が雲雀さんの二、三歩後ろを歩いていた。
「僕としては、もっと君と恋人らしい事したいのに…」
俺は、雲雀さんの言った言葉に少し驚いた。雲雀さんも俺と一緒で恋人らしい事をしたいと思っていてくれたらしいのだ。
それなら言ってもいいのだろうか…
「雲雀さん…今日は、一番の冷え込みだそうです。」
「それ、さっきも聞いたよ」
少しムッとした雲雀さんに俺はこう言った
「だから、手が寒いので、手…繋いでもいいですか?」
そう言うと少し驚いた雲雀さんがほんの少し照ながら手を出してきて
「別にいいよ」
と言って俺の手を繋いでくれた。
今日は一番の冷え込みらしいが、俺にして見ればいつもよりもあたたかい日のように思えた。
End