夢追う君に、手を伸ばし 番外編
□コスチューム案。
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「じゃあ、これからサポート科とヒーロー科の合同会議を始めまーす。」
パチパチパチ。なんて拍手するのはわたし一人だ。
お相手轟焦凍さんは、じっとわたしの手元を見るのみ。
少しは乗ってくれ。
「靴は体育祭でも使い勝手よさそうだったし、このままスパイク付きのブーツでいいよね?」
「ああ。」
「あと、左右両方使うならベストにラジエーター機能をつけてっと…。」
「ああ。」
「しばらく生傷たえないだろうし、薬品とか痛み止めとかそういうのもつけておきたいけど」
「いいと思う」
うん、さくさく進んでいる気がするけれど。これはすべてまやかし。
わたしの案をそのまま彼が採用しているだけ。
「思いっきりわたしの要望のコスになってる…」
「いいんじゃねえか?」
一口優雅にお茶を飲む彼に睨みを効かせる。
「よくないよ。使用者の要望少しくらいはあるでしょ!?ほら、何色がいいとかある?」
「なんでもいい…シンプルなら。」
「それなら単色系にしてあげるけど、世の中何色色あると思ってるの…無限大だよ?これが好きとかない?」
カラー色のデザイン雑誌を出そうとすると、ふと思いついたかのように焦凍君が口を開いた。
…やな予感。
「…好きなもの…ああ、そ」
「蕎麦はなしだからね。」
予感的中。
夕飯を聞いたわけじゃないからね。