夢追う君に、手を伸ばし U
□神様の試練
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「…というより冷静になってみると雄英が何かしないはずないよね?」
「ここまで叩かれてるんなら、敵対策は確実にとるだろ。」
「今までは外で好き勝手できてたから、今度は自由時間も学校で…あっ、寮作っちゃうとか?」
「…ありえねえ話じゃねえな。」
「いやいや、冗談だよ?」
…とその後そんな会話をして数日後、わたしは焦凍君が正しかったと知った。
《寮生活のご案内》
まるでわたしの考えが反映されたかのようなファックスが届いて発狂して。
今はそのことを冷さんに報告しに病院に向かった。
「ぅうぅぅ…寮生活なんて」
「悲観する必要ねえだろ」
「ある!寮なんかに入ったら、門限できて学校帰りに寄れなくなるし!!」
「しばらく日曜か…」
「週1回なんて足りないに決まってるでしょ!?今までわたし週3で通ってたんだよ?」
ああこんなことになるなら、冷さん離れの練習しておけばよかった…。練習さえしたくないけど。
「それよりいいの?炎司さん説得しないでこっち来ちゃって」
わたしはすんなり許可とれるだろうけど、焦凍君の方はそう上手くいかない気がする。
「……関係ねえ。」
「関係なくないでしょ。保護者の印鑑を持ってるの炎司さんなんだから。」
「姉さんに押してもらえば済む。」
もう…相変わらず頑固だ。職場体験のときに歩みよったと思ったけどそれ以外は平行線。まだまだ嫌悪感はぬぐえない感じみたいだ。
「明日家庭訪問なんだから、相澤先生をうまく味方に…ごめん、先行ってて。」
「どうした?」
冷さんの所にいち早く行きたい気持ちもある。勿論あるけれど。
ふと視界に入った白衣の先生に目が釘付けになった。この人を見つけるのは激レアだ。次いつ会えるかわからない人。
「知り合いいたから、ちょっと挨拶してくる。」