夢追う君に、手を伸ばし U
□記憶の補填
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こうやって見るとニュースの情報は色々と改竄されているんだな…。
正しい情報はリアルタイム、またはなるべく早く仕入れるのがいいんだろう。保須の時もだいぶもみ消されてたし。
「で、その黒い霧の人とか他の敵はどこ行ったの?」
「その時俺たちはもうそこから離れてたけど…またワープでどっかに消えたんだろ。多分こいつの指示だ。」
オールマイトと戦ってるラスボス的な人を指差す。ぼやけてるせいで見にくい…。
「この敵絶対やばそう…」
「…オールマイトが苦戦した相手だ。」
「いや戦闘力とかもやばそうなんだけど…外見とかも…テレビ側がモザイクかけてる敵なんて初めて見た。」
「モザイク?それってど」ピンポーン…
インターホンが鳴って会話が途切れる。
「あっ、わたし出るよ。」
…冬美さんがいないみたいだから自分が代わりに玄関に、と思うけれどなぜか足が重くて嫌な予感がした。
そしてその予感はすぐ当たることになる。
「焦凍君、冬美さんや炎司さんはどこ出かけてる?」
数分後もう一度居間に戻って二人の居場所を聞く、というよりすぐ帰ってきてしまうかどうか…それだけを知りたかった。
「姉さんは目的地言わなかったけど夕飯まで帰ってこないって言ってた、あいつは事務所だろ。」
「…そう、すぐには帰ってこないんだね。じゃあ大黒柱代理さん?」
「その呼び方、なんだ?」
そんな顔しないでよ、いたってこっちは真面目なんだから。
本当は焦凍君にも知らせないで終わらせたかったけど。
「客間、借りていい?」
さすがに居候の分際で無断で使うのは気が引けた。
「客間?」
「うん…今からさ」
警察の人たちとお話しなきゃいけないみたいだから。
表情はいくらでも作れる。
でも声を震えさせずに伝えることはどうしても難しかった。