★本編★

□悲劇の始まり
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「すっげー!!USJかよ!!?」

「水難事故、土砂災害、火事……etc、あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場ですその名も……ウソの災害や事故ルーム!!」

「スペースヒーロー「13号」だ!災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!!」

「わーー!私好きなの13号!」


そんな13号の後ろからひょっこりと耳を垂れさせている虎白が現れた。
虎白を見つけ、ぱあっと緑谷の表情が明るくなる。


「虎白君!!」

「おぉ!!やっと来たのか―!」

「つか、耳!?」


ムスッとしている虎白はじっとみんなを見つめるだけで何も言わずぎゅっと唇をかみしめ顔をゆがめる。
泣き出しそうな顔にみんなが焦りどうしたのかと慌て始め、虎白の周りをかこった。
13号との会話を終えた相澤はみんなに囲まれている虎白をチラリと盗み見てため息をこぼす。


「(まだ、機嫌悪いのかあいつは……念のための警戒態勢だ用心するにこしたことはねぇな)仕方ない始めるか」

「えー始める前にお小言を一つ二つ……三つ……四つ……」


13号が話し始めれば一斉にそちらに向くが
増えていくお小言にあきれる一同
しかし気にした様子もなく13号は話し始める


「皆さんご存知だとは思いますが僕の「個性」は"ブラックホール"どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」

「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね」

「ええ……」


虎白の耳には13号のお小言など全く入ってこなかった、
嫌な予感が朝から離れず、このUSJ内に来てからそれが増していた。
ざわざわと胸が動く感覚
今日は一日中、耳と尻尾が出たままの状態であるのだ。


『(……なに、これっ)』


どんどんざわついた感覚が強くなり
びりびりと虎白の身体中を駆け巡る
無意識に牙を出し小さく唸りながら13号が立っている先に見える噴水をにらみつける
いつの間にやら13号の話は終わっていた。


「そんじゃあまずは……」


声をかけた相澤は何かの気配を感じチラリと後ろをみる
そこには変な黒い渦がありそこから人が顔をのぞかせていた


「一かたまりになって動くな!!!」

『っ……!?』

「13号!!生徒を守れ」

「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

「動くなあれは……敵だ!!!」


一瞬虎白の脳裏に血に濡れた二人の人物がよぎる、
顔や体中に手を付けている男と一瞬目が合い
ガタガタと虎白の身体は震えはじめヒュッヒュと空気を吸う音が小さく響く。


「13号に……イレイザーヘッドですか……先日いただいた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが……」

「やはり先日のはクソどもの仕業だったか」

「どこだよ……せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…オールマイト…平和の象徴居ないなんて……子供を殺せば来るのかなぁ?」

『っ……!』


――奇しくも 命を救える訓練時間に僕らの前に現れた、プロが何と戦っているのか、何と向き合っているのか それは 途方もない悪意――




END


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