★本編★

□忍び寄れ騎馬戦
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〜忍び寄れ騎馬戦〜




「先頭が一足抜けて下はダンゴ状態!上位何名が通過するかは公表してねぇから安心せずに突き進め!!そして早くも最終関門!!かくしてその実態は―――…」


先頭を走っていた虎白は急にざざっと立ち止まった
ぴこっと耳が動くと同時にスンスンと鼻をならした


『……なんか、うまってる』

「一面地雷原!!怒りのアフガンだ!!地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!!目と脚酷使しろ!」

『じらい……』

「ちなみに地雷の威力は大したことねぇが音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!」

「人によるだろ」


虎白はぎゅっと唇を強く結ぶと
地面に落ちていた小石を耳に詰め
地雷を踏まないよう走りだした
その後ろを轟そして爆豪が追いかけた


「エンターテイメントしやがる」

「はっはぁ俺はかんけいねぇ!!」

『……!かつき』

「半分野郎宣戦布告する相手間違えてんじゃねぇよ、ライオン野郎もさっきよりペース落ちてんぞ」


瞬時に爆豪がトップへと躍り出た
しかしそれを行かせまいと轟は腕をつかむ


『やっぱ、かつきすごいや』

「なめてんのかライオン野郎!本気出せや!」

『まだ、だめ……』

「はぁ!?舐めてんじゃねぇぞ!本気のお前に勝たなきゃ意味がねぇ!」

『……くるよ、かつき、しょーとこれからが、本気のしょうぶ!!』


急に何を言い出すのかと思えば後ろの方から大きな爆発音が聞こえ
まさかの緑谷が吹っ飛んできたのだ
虎白はニタっと笑い
爆豪と轟は驚きで目を見開いた
三人の頭上を越えいつの間にやら緑谷がトップに躍り出た。


「デクぁ!!!!俺の前をいくんじゃねぇ!!!」

「後ろ気にしてる場合じゃねぇ……!」

『すっごいや……けど、一位になるのはぼくだ!!』


三人はすぐさま緑谷を追いかける
空中で失速し始めた緑谷は持っていたボードを
三人が抜き去る前にもう一度地面へと叩きつけた


「(追い越し無理なら抜かれちゃダメだ!!)」

『……!?やばいっ』


カチカチと小さな音がした瞬間その場で大きな大爆発が起こった
空中にいた緑谷は前方へと飛ばされ
爆発によって轟と爆豪は足を止めた
小柄な虎白は爆風に耐えられるわけもなく空中へと投げ出された。



『もぉ……!これまだむずかしいからあんまり使いたくないのに……!』


空中に投げ出されてしまった虎白は呑気にも頬をぷくっと膨らませ
背中から翼というにはまだまだ小さな羽を生やしゴールの方へと急降下していった


「緑谷間髪い入れず後続妨害!!なんと地雷原即クリア!!イレイザーヘッドおまえのクラスすげぇな!どういう教育してんだ!」

「俺は何もしてねぇよ奴らが勝手に火ィ付けあってんだろ」

「さァさァ序盤の展開から誰が予想できた!?今一番にスタジアムに帰ってきた男、緑谷出久の存在をォオオ!?!?ってオイオイそんなのありかァ!?ギリギリで飛び込んできたのは王羽虎白だァア!!まさかまさかの同着だァ!!!」


続々とみんながゴールし始めた
虎白は放送室にいるマイクと相澤の方へと目線を向けた
マイクはニコニコだが相澤は少し眉をひそめていた
これは怒られるなと虎白は目線をずらしオールマイトを見た
虎白はオールマイトに向け手を高くあげた
そんな虎白を見てオールマイトは少し目頭が熱くなった


「(子供の成長は早いものだな……)」


全員がゴールしたところで順位が発表された


一位.緑谷出久、王羽虎白
二位.轟焦凍
三位.爆豪勝己
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