★本編★

□悲劇の始まり
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〜悲劇の始まり〜




『いやだぁあああ!!!!』


今日も相澤とともに登校した虎白は職員室に来ていた
そろそろ教室に行かなければならないというのに虎白は相澤の机の下に潜り込んでなかなか出てこない。
その行動に相澤は困ったように頬を掻き、
他の先生方もどうしたのだろうと首をかしげる。


「おい、イレイザー虎白どうしたんだァ??」

「知るか……朝からずっとグズってる」

「虎白〜、授業始まっちまうぞー?」


マイクが虎白に目線を合わせるようにしゃがみ込んで机の下をのぞく、
そこにはライオンの耳がぺたんと垂れさがり不安げな表情の虎白がおり、安心させようとマイクは両腕を広げた
その瞬間虎白はバっとマイクにしがみついた


「うぉ!?!?」

『……ダメ、きょうは、じゅぎょう、だめ!』

「ったく……そんなこと言ってられねぇだろ?虎白、お前のわがままで授業止めることはできねぇ、わかるな?」


マイクの腕に抱かれている虎白に目線を合わせながら叱る相澤。
それでも虎白はいやだいやだと首を振る、
そんな虎白に痺れを切らした相澤はくるっと踵を返し職員室を出て行こうとした。


「時間の無駄だ、俺はもう行く」

『……!!』


ガラリと扉を開けて出て行ってしまった相澤を数秒間ぽけっと見つめ、
虎白はマイクの腕の中から降りようとして暴れ、マイクが下ろしてやるとボロボロと泣きだし始めた。


『ふえっ……う、うぅー……』

「お、おいおい……シビィぜ……」

「虎白君、どうしたの?」


ミッドナイトも駆け寄って虎白の背を撫でる、
虎白は近くにいた13号の手をぎゅっと握り、
13号は虎白に目線を合わせると優しく問いかけた。


「王羽君……どうしたのですか??」

『13ごう……せんせー、ふぇ……しょーたぁあ!!』


わんわんと、さらに泣き出す虎白に成すすべもない教師一同。
しかし授業に連れて行かないのもダメなので
午前だけは休ませ、午後のヒーロー基礎学から参加させるという処置に至った。
それまで虎白は午前授業のない、13号にくっついて離れなかった。


★ ★ ★


「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイトそしてもう一人の三人体制で見ることになった」

「はーい!なにするんですか?」

「災害水難何でもござれ人命救助訓練だ!!」


瀬呂の質問に「RESCUE」と書かれた小さなカードをみんなに見せ説明をする


「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない、中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな、訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく以上準備開始」

「あの、相澤先生ちょっといいかしら?虎白君はまだ来ないのかしら」


手をあげて質問する蛙吹に
相澤はあー……っと声を漏らす


「あいつは現地で合流する予定だ、わかったら早く準備しろ」


それだけ言えばスタスタと教室を出て行ってしまった
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