★本編★
□操る者と視る者
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相澤とマイクが居る放送室までやってくると
虎白は勢いよく扉を開けた
『しょーた!!ひざし!』
「おー、先生な?お疲れ虎白!」
マイクは虎白に向かって両手を広げる
それを見た虎白はパッと笑顔になりマイクの腕の中にタックルするように飛び込んだ
「グッ……おま、勢い良すぎ……」
みぞおちに入ったようで青い顔をしながらもしっかりと受け止めるマイク
「虎白……」
『しょーた!いたっ……』
相澤に名前を呼ばれすぐさま振り向いた虎白のおでこにバチンッと少し強めの衝撃が入る
痛さにおでこを押さえて相澤をにらむ虎白の目にはうっすらと涙の膜が張っていた
「お前は……障害物といい騎馬戦といい、遊びすぎだ、それにスイッチが入るのが遅い、あとやたらと敵を挑発するな」
『うっ……』
「ま、まぁまぁイレイザー、いいじゃねぇか!頑張ったんだし、なァ?虎白??」
「マイク、お前甘いぞ?やるからには徹底的に?だろ??……まぁ、騎馬戦の最後は悪くなかった」
『……!!しょーた!』
相澤は虎白の前に目線を合わせるようにしゃがみ込むと
虎白の瞳を真剣に覗き込んだ
「虎白、正直言うと、俺はこの後の試合に出したくない」
『えっ……』
「お前はもう、十分目立ってる、お前が生きていたって事が全世界に知れ渡った、もちろん、敵にもだ、わかるな?」
『…うん、でも!』
「お前はそれじゃあ納得しない、虎白」
相澤は虎白の両肩に手を置いた
近くにいたマイクも虎白の頭に手を置きぐしゃぐしゃと髪を撫でる
「お前のことは、俺たちが守る、だから安心して試合をして来い」
「そうだゼ虎白、お前の試合見せてくれヨ」
『しょーた……ひざし……』
うるっと瞳が潤む虎白はあわてて腕でごしごしと乱暴に涙をぬぐった
そして二カッと笑うと二人に向かって言った
『まかしてっ……!』
休憩が終わり放送室を飛び出していった虎白を
二人はしっかりと見送ったのであった
END